元レフェリー家本政明氏が選出…印象に残る“浦和の名手6人” 「若さゆえのイケイケ」「やんちゃ」「レフェリーとしては大変」

家本政明氏が「印象に残る浦和の名手6人」を選出【写真:Getty Images】
家本政明氏が「印象に残る浦和の名手6人」を選出【写真:Getty Images】

【インタビュー】「僕の中でミスターレッズと言えば鈴木啓太さん」

 9月3日のJ1リーグ第28節の鹿島アントラーズ対浦和レッズ戦で「家本政明ぶっちゃけLABO」というオンライン同時視聴イベントを開催する元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏。主審としてJリーグ歴代最多516試合担当という経歴を持つ家本氏が「印象に残る浦和の名手6人」を選出し、その理由について語っている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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■鈴木啓太(MF)
浦和在籍:2000年~2015年

 僕の中で「ミスターレッズ」と言えば、浦和一筋でプレーした鈴木啓太さん。キャプテンシーがあり、クレバーでありながらも、潰すところは潰すというプレーも厭わず、周りを生かすために汗をかく役割を全うしていましたね。(イビチャ・)オシムさんが「水を運ぶ人」と表現されていましたが、まさにチームの機能を最大限生かすための縁の下の力持ちという印象です。中盤でプレーしていたので、ポジション的にちょうど同じような位置取りで話すことも多かったのですが、どちらか言うとレフェリーにプレッシャーをかけたりするタイプではなく、いろいろと尋ねてくるタイプ。情熱的ではあるけれど感情的ではなく、こちらからもいろいろと言いやすかったですね。

■長谷部誠(MF)
浦和在籍:2002年~2007年
現所属:フランクフルト

 今のプレースタイルとは異なり、当時はガンガン前に上がっていく若さゆえのイケイケスタイル。それがファン・サポーターを魅了していましたし、結果も出していました。多少タックルを受けても簡単に倒れないのが印象的で、相手を引きずりながらも強引にドリブルするぐらいエネルギッシュでした。その後、さまざまな経験をしながらプレースタイルが変化したのは自然なことですが、浦和時代の長谷部選手の強気なスタイルは個人的にすごく好きです。

■原口元気(MF)
浦和在籍:2009年~2014年5月
現所属:ウニオン・ベルリン

 同じようにエネルギッシュだったのが原口選手ですね。当初はやんちゃなアタッカーという感じで、とにかく相手ゴールへグイグイと迫る様子は迫力満点でした。2011年、大宮アルディージャとの埼玉ダービーで決めた倒れながらのシュートは今でも覚えていますし、痺れましたね。当時は感情を露わにするタイプだったと思いますが、レフェリーとして接している時、個人的に何かあったという印象は特になく、自分のプレーに集中していたイメージです。とにかくドリブルで勝負するという雰囲気をプンプンさせていましたし、それがまた個性的でもありました。

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家本政明

いえもと・まさあき/1973年生まれ、広島県出身。同志社大学卒業後の96年にJリーグの京都パープルサンガ(現京都)に入社し、運営業務にも携わり、1級審判員を取得。2002年からJ2、04年からJ1で主審を務め、05年から日本サッカー協会のスペシャルレフェリー(現プロフェッショナルレフェリー)となった。10年に日本人初の英国ウェンブリー・スタジアムで試合を担当。J1通算338試合、J2通算176試合、J3通算2試合、リーグカップ通算62試合を担当。主審として国際試合100試合以上、Jリーグは歴代最多の516試合を担当。21年12月4日に行われたJ1第38節の横浜FM対川崎戦で勇退し、現在サッカーの魅力向上のため幅広く活動を行っている。

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