天然か人工か…なでしこ2部加盟申請の“芝問題”に賛否 岩渕真奈の“発信”反響「人工芝でもいい」「基準は設けるべき」

ピッチの問題はこれまでも何度か話題になっている【写真:荒川祐史】
ピッチの問題はこれまでも何度か話題になっている【写真:荒川祐史】

なでしこ2部への加盟基準、公式では「常緑天然芝、もしくは人工芝」と記載

 日本のプロリーグ(Jリーグ、WEリーグ)では天然芝のグラウンド使用が規定として定められている。天然芝は、衝撃の吸収力が高く、選手の体へ負荷がかかりにくい点や、地温の上昇を防ぐ効果がある反面、芝を管理するための維持費の高さ、水たまりができやすいなど天候に影響を受けやすい面がある。

 対して人工芝は手入れの必要がなく、維持費が安く済む点や、降雪地域でも使用しやすいことが利点だが、デメリットに天然芝より選手の体へ負担がかかること、地面の温度が高くなる点などが挙げられる。

 今回、WINGSの件で論点となっている“芝”に関して、一般社団法人日本女子サッカーリーグ公式によると、なでしこ2部への加盟基準は「常緑天然芝、もしくは人工芝(FIFA芝品質コンセプト認証またはJFAロングパイル人工芝公認)」と記されていた。クラブの発表では「天然芝のグランド確保困難が主な理由」とのみ記載されており、それ以上の詳細は明らかにされていない。

 岩渕のツイートにより話題を呼んだ“芝問題”は、WINGSだけではなく、女子サッカー、もとい日本サッカー全体の課題でもある。なでしこリーグは、プロリーグではないので金銭的な面で厳しい立ち位置にあるのは事実。現状の規定上、仕方ないことではあるが、なでしこ参入を目指してやってきた選手たちにとって、プレー面以外でチャンスをなくすのは悔やみ切れない思いもあるはずだ。

 そして選手たちの抱える気持ちは、続くツイートで岩渕が代弁してくれている。

「自分はなんにもこの件についてわからないんですが、少しでもそういう女子サッカーの環境が増えたらなと個人的には思ってます!!そのために今女子サッカーに関わってる以上やれる事は全力でやりたいなーと。理由はただサッカーが好きだから笑」

 もちろん環境が整い、全選手が“いいピッチ”でサッカーができるのは理想だが、現状ではそうもいかない。しかし日本、欧州とさまざまな地を経験してきた岩渕の“発信”が、現状を示す1つのきっかけとなるかもしれない。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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