“天才児”ゲッツェ、フランクフルトで復活劇なるか 病気&負傷で苦難を経験、「楽しむ感覚を取り戻した」アタッカーに漂う期待感

巧みなパスやドリブルで攻撃をけん引、鎌田がより生きる可能性も

 ドイツカップのマクデブルク戦では相手の隙を突いた巧みなパスやドリブルで攻撃をけん引。そしてゲッツェが加わったことで相手のマークがそちらに引き付けられ、鎌田がよりフリーになれ、生きる局面が増えている。このメリットは大きい。

 CLに挑戦するフランクフルトにとってゲッツェの存在感はどんどん大きくなっている。ブンデスリーガ開幕戦では古巣バイエルンとの対戦。これも運命だろうか。ドルトムントでの最後の対戦相手もまたバイエルンだったのだ。記者会見でそのことを聞いたゲッツェはちょっと驚いて、そのあとにニコッと笑って話をした。

「バイエルンもあの時からいろいろと変わっているから。バイエルンやドルトムントとの対戦は特別だし、楽しみ。開幕戦でバイエルン。それもホームで戦えるのは素晴らしい」

 金曜日に始まるブンデスリーガでゲッツェが好プレーを披露し続けたら、9月の代表戦で招集される可能性だって出てくる。期待をしたくなる選手。それがゲッツェだ。

(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)



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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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