「監督の指示があったからこそのゴール」 広島MF野津田岳人が激白、6月のJ1ベストゴール“左足スーパーミドル弾”の真相

「今はプロ1年目、2年目の時ほど、『結果、結果』というこだわりはない」

――ひとつ前の名古屋グランパス戦でも、直接フリーキックのゴールもありました。

「そうですね。7年ぶりに広島で決めたゴールでした。あれで、スッキリして力が抜けた感じはあります。久しぶりのゴールは、エディオンスタジアムで取りたかったですし、そのゴールをサポーターの皆さんの近くで決められたことは、嬉しかったです。あのゴールを決めることができたから、C大阪戦でのゴールの時も『決められるんじゃないか』という自信が出て、自然とちょっと前にポジションをとることができました。シュートも、割と力を抜いて打てましたし、あの1点で乗れたし、力みがなくなったと思います」

――今回、記録を見返して驚いたのですが、これまでの1シーズンあたりのキャリアハイが4得点でした。野津田選手の特徴を考えても、もっと取れていてもいいのかなと感じたのですが、ご自身は、どのように感じていましたか?

「やっぱり少ないなと思います。もっと取れるチャンスが今まであったので、もっと取らないといけないとすごく感じています。ただ、今はプロ1年目、2年目の時ほど、『結果、結果』というこだわりはないですね。当時は、そういう思いもプレーに出ていてシュート、シュートという感じになっていたので、そこは考え方も変わったかなと思います」

――6月の月間ベストゴールに選ばれたC大阪戦のゴールを、細かく振り返っていただけたらと思います。ボールが来る前には、どのようにピッチ上の状況を見ていましたか?

「藤井(智也)選手がサイドにボールを運んだ時に、相手のラインがすごく下がって、クロスを警戒している布陣をとってきていました。この試合では、サイドからの攻撃で何回もクロスを上げていてクロスを何度も跳ね返されていたのですが、その分、相手もクロスを警戒してラインが下がっていたんです。自分の前のスペース、相手のボランチの前のスペースが、この時はすごく空いていたので、『そこのスペースに入っていけばシュートを打てるな』という感覚がありました」

――この時は、藤井選手からクロスが入らずに、MF満田誠選手にパスがつながれています。

「マコにボールが入った時、相手のボランチが釣られて、ボールにアタックしに行きました。それによって、さらに自分の前のスペースが空いたので、そこで内側に入っていき、この時には『ミドルシュートを打とう』と思って準備をしていました。いつもはアンカーであまり前にというか、攻撃に入りすぎないことを意識しているのですが、負けていて前にスペースがめちゃくちゃあったので、この時は『ここでもらって、打とう』と考えていました」

――C大阪の守備は非常に整備されていたと思います。野津田選手の前にも相手選手が多くいたと思うのですが、シュートコースは見えていたのでしょうか?

「シュートコースは、そこまで意識していませんでした。とにかく自分の力をボールに乗せて、枠に飛ばすこと。トラップをしてから、早く蹴ることを意識していました。やっぱりあれだけスムーズにシュートを打つことができれば、割と良いコースに飛んでくれる感覚があったので、それは打つまでの過程がよかったのかなと思います」

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