フットボールに適した“骨格”? 中田英寿や本田圭佑を彷彿させるJ選手…世界の英雄に“そっくり”な選手に注目
【識者コラム】往年のスター、ミカエル・ラウドルップに似ているデンマーク代表FWを発見
最近デンマーク代表の試合を見ていて、「あれ?」と思った。右サイドの選手がミカエル・ラウドルップにかなりよく似ていたのだ。身長は高く首が少し長い。足は少し短い気がする。走り方、ボールの持ち方、何となく往年のレジェンドを思わせるものがあった。
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アンドレアス・スコフ・オルセン、22歳。ベルギーのクラブ・ブルッヘに所属していて、バルセロナも興味を示した期待の星だという。利き足は左なのでラウドルップとは違うけれども右足も自由に使える感じだった。瞬間的な加速やボールタッチの巧さもラウドルップにそっくりではないか。
ミカエル・ラウドルップには弟がいる。ブライアン・ラウドルップはEURO1992優勝の立役者だった。この兄弟の父親フィン・ラウドルップもデンマーク代表選手である。映像を見てみたらこれがまたそっくりで驚いた。父、兄、弟、ラウドルップ全員同じ。まあ親兄弟なので不思議ではないのだが、何の関係もないスコフ・オフセンがまるでラウドルップ一族のようなのはどういうことなのだろう。
骨格が似ているとプレースタイルまで似てくるのだろうか。そういえば、EURO1992でブライアン・ラウドルップと2トップを組んだフレミング・ポウルセンはラウドルップ兄のパートナーだったプレベン・エルケア・ラルセンと似ていた気もする。伝統なのか。
オランダ代表のフレンキー・デ・ヨングは少しヨハン・クライフに似ている。マルコ・ファンバステンはもっと似ていたかもしれない。サイズやプレースタイルはそれぞれ違うのだが、動き方がどことなく似ているのだ。
日本だと、意外と中田英寿に似ている選手が多い。ほぼ同世代の小笠原満男がやや似ていて、現在だとサガン鳥栖の小泉慶を見ると中田を思い出す。日本人に多い体型なのか、その体型がサッカーに向いているのかはよくわからないがけっこういるタイプだ。
サンフレッチェ広島の野津田岳人と本田圭佑はどうだろうか。左利きで強いキックがあり、背筋を伸ばしてプレーする雰囲気がよく似ている気がするのだが。
何となく似ていると思うのは、こちらが寄せて見てしまうせいもあるのだろう。○○2世という表現もよく使われる。砂漠のペレ(マジェド・アブドラー)、カルパチアのマラドーナ(ゲオルゲ・ハジ)というのもあった。
クライフは「オランダのジョージ・ベスト」と呼ばれていた。確かに似てなくもないが、クライフが有名になるとさすがにこのニックネームは使われなくなった。
西部謙司
にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。