失意のリオ世代に求められる五輪後の反骨心 “3戦全敗”を糧に進化を遂げた北京世代からの金言

「帰ってきてからの立ち振る舞いが大事」

 そして、その経験を生かすために必要なメンタリティーがあると話したのは、現在A代表の正GKの座をつかみつつある西川周作だ。3戦全敗という経験で受けたダメージから立ち直り、さらに成長につなげるためには「帰ってきてからの立ち振る舞いが本当に大事だ」と話した。

「この大会のなかで、できなかったことはそれぞれあると思う。今回の負けで、周りからは何を言われてもおかしくない状況だとは思うので。そこで、帰ってきてからの立ち振る舞いが本当に大事になる。どれだけ謙虚に練習を積んで試合で結果を出せるか。そういう選手が残っていく。五輪でダメなら、もうダメだと思ってしまうのか、そこで反発できるのかという気持ちの違いもあると思う」

 そして、GKという立場から櫛引政敏(鹿島)と中村航輔(柏)の2人がプレーしたことも「見ている人に伝わらないような独特な雰囲気があったと思うし、それを経験できたのは彼らにとって良かったのではないかと思う」と話した。そして、初戦で5失点を喫した櫛引については、5点目になったサイドからのボールに飛び出して、クリアボールを蹴り込まれたプレーについても言及した。

「結果が全てなので、プレーに関してはミスをすれば叩かれるポジションなのは理解しているはず。ただ、あの場面は非常に勇気がいるプレーだったし、彼が前に出なければそのまま入れられている状況でもあった。そこを出たことで、彼は(プレーの)幅を広げられたと思う」

 国際大会のなかで、決断を下して前に出たことが先につながると話した。もちろん、櫛引自身が本当にそのプレーを糧にできるかどうかは、前述の西川による「謙虚に練習を積むこと」にかかっているのは間違いない。しかし、経験こそが最大の武器と言われるGKにとって、得難いものであったのは事実だろう。

 

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