札幌19歳・中島大嘉は「平山相太以上」 元日本代表DFが期待する“世界に通用する”ポテンシャル

札幌で活躍するFW中島大嘉【写真:Getty Images】
札幌で活躍するFW中島大嘉【写真:Getty Images】

【栗原勇蔵の目】ヘディングとスピードは“怪物”の平山相太以上 近い将来は日本代表へ

 北海道コンサドーレ札幌の19歳FW中島大嘉はプロ2年目の今季、リーグ戦で6試合2ゴール、ルヴァンカップで5試合4ゴールと、限られた出番の中で存在感を示している。身長188センチのサイズを誇る19歳の若きストライカーを、元日本代表DF栗原勇蔵氏も「ヘディングとスピードは平山相太以上」と“初代怪物”を引き合いに称賛している。

 高校サッカー界の名門である国見高の出身で、札幌のトップチーム所属史上初の「21世紀生まれ」の選手としても注目を浴びる中島。今季は3月19日のJ1リーグ第5節セレッソ大阪戦(2-2)で途中出場からJ1初ゴールを決めると、4月10日の第8節・名古屋グランパス戦(2-0)で今季2点目。ルヴァンカップで初先発した4月20日のグループステージ第3節京都サンガF.C.戦(4-1)では打点の高いヘッドを含む2得点で強烈なインパクトを残した。

 中島はヘディングはもちろん、4月2日のリーグ第6節浦和レッズ戦(1-1)で自陣から敵陣ペナルティーエリア内まで約80メートルを爆速で駆け上がるなど、スピードも魅力だ。元日本代表としてもプレーした栗原氏は、中島と同じ国見高出身で、高校時代から“怪物”と騒がれた元日本代表FW平山相太氏(現・筑波大学蹴球部コーチ)を引き合いに、その凄みについて語る。

「足元の技術は現段階で、平山相太のほうが上だと思います。でも、パワフルなヘディング、あのサイズで規格外と言えるスピードは中島くんに分がある。走る姿はドルトントの(アーリング・ブラウト・)ハーランドのような迫力です。うまくて、速くて、機動力がある選手が多いなかで異色の存在。中島くんのような選手が出てこないと、日本は世界で上に行けない。ようやく出てきたなという感じですね」

 まだ札幌では途中出場がメインで、定位置を奪うには至っていないが、「ミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)のようないい指導者の下でやっていれば、技術も磨かれていくはず」と栗原氏は期待を寄せる。

「サッカーでは、大きくて動ける選手が優位です。ただ、まだ絶対的な当たりの強さはない。中途半端だと、ああいう体格の選手は世界にゴロゴロいるので、逆に標的にされてしまう。一気に突き抜けて、シュートを決める力、嗅覚も磨かれば十分日本代表や世界も狙えると思います。個人的には、日本代表にああいう一発のある選手がいると面白いと思いますが、まずは札幌でバリバリのレギュラーとして活躍するようになってほしいですね」

 19歳の中島が秘める無限の可能性から目が離せない。

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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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