昨季15位→上位躍進 J1柏が開幕前の低評価を覆して“V字回復”を果たしたワケ

柏を率いるネルシーニョ監督【写真:小林 靖】
柏を率いるネルシーニョ監督【写真:小林 靖】

全選手がサボらずに攻守に奮闘

 若きエースとして名乗りを上げる成長著しいFW細谷真大、昨年、一昨年と怪我で活躍できなかった創造性と献身性を兼備するマテウス・サヴィオ、一昨年の大怪我から復帰したMF戸嶋祥郎はチーム随一のハードワーカーだ。

 昨年は入国制限によって合流が遅れたMFドッジが移籍2年目でついに本領を発揮し、さらに新戦力のMF小屋松知哉、MF中村慶太が瞬く間にチームにフィットした。昨季と比べてほぼ総入れ替えとなった中盤から前線の顔ぶれによって、ネルシーニョ監督の要求するインテンシティーは昨年とは比較にならないほど跳ね上がった。細谷が入れる守備のスイッチにチーム全体が連動してプレスを仕掛け、相手に剥がされたとしても各選手が2度追いやプレスバックの意識を高く持ち、献身的に走り続ける。

 守備陣の一角を務めるDF大南拓磨は、その変化を次のように語る。

「みんながアグレッシブにインテンシティー高くハードワークをして、守備の連動も非常に良い。全員に言えることなんですけど、サヴィオもドッジも、こっちが『無理すんなよ』と思うぐらいにハードワークをしてくれるので、ディフェンス陣としても頭が上がらない。そこもすごく大きなポイントで、全員がサボらずに攻撃も守備もやれている」

 昨季は守備が思うように機能せず、間伸びしたライン間を相手に突かれ、最終的にはリーグワースト3位の56失点を喫した。それが今シーズンはここまで8試合で4失点。クリーンシートが4試合、複数失点はいまだない。

 また、以前は手詰まりになるケースの多かったビルドアップやアタッキングサードでの崩しについても、DF古賀太陽は「(小屋松)知哉くん、(中村)慶太くんの2人が入ってきたことで改善された部分が多い」と、戦術面にオプションをもたらした新戦力の存在の大きさを説く。

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