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「銃を握っていたかもしれない」 元ウクライナ代表FW、プーチン大統領に怒り露わ「突然襲ってきた」
ヴォロニン氏がディナモ・ザグレブを離れ、自身の思いを語る
元ウクライナ代表FWアンドレイ・ヴォロニン氏は、2015年2月に現役を引退。その後、指導者に転身し、2010年から14年まで在籍していたロシアのディナモ・モスクワでアシスタントコーチを務めていた。しかし、2月24日にロシア軍のウクライナへの軍事侵攻が始まり、クラブは3月1日に双方合意でヴォロニンとの契約を解除したと発表。ヴォロニン氏のコメントがドイツ紙「ビルト」に報じられた。
ウクライナのオデッサ出身のヴォロニン氏は、現役時代にウクライナ代表として74試合に出場し、8ゴールをマーク。現在42歳となったヴォロニン氏は、すでに家族とともにロシアを離れ、現在はドイツへ移っているという。
取材に応じたヴォロニン氏は、「これ以上、私の母国を爆撃する国で仕事をすることはできなかった」と言い、「この4日間、気分が良くない。最悪だよ。母国から届く写真やニュースを見るたびにね。まるで映画のように非現実的だ。それもホラー映画だよ。言葉が見つからない」と、ショックを受けていることを明かした。
ロシア軍の侵攻が始まってから、ヴォロニン氏には多くのメッセージが寄せられているという。「私の思いと、心は、ウクライナとともにある。(ロシア軍が砲撃した)ハルキウ、キエフ、それに出身地のオデッサにも友達がいる。5分おきに連絡が来るけれど、聞くのが辛いよ。どうにかして助けになりたい。お金でも、なんでも。これを言うべきなのかは、分からない。でも、今、私がウクライナにいたら、銃を握っていたかもしれない」と、国を守りたい強い意志を示した。
そして、怒りの矛先をウラジーミル・プーチン大統領に向けた。
「僕をはじめとする多くのウクライナ人には、ロシア人の友人や親戚がいる。そんな彼らが、突然、私たちを襲ってきた。プーチンが私の国を攻撃してきたんだ。すでに多くの人が死んでいる。子供たちや、母親も。ウクライナ人も、ロシア人も。でも、ロシアでは、この状況が伝えられていないから、ロシアの人々は何も知らないんだ。90%の人たちが、ウクライナで起きていることを知らない。プーチンは、人々のことを気にしない。彼は私たちだけでなく、ロシアの人々も傷つけているんだ」
「私は母国を誇りに思っている。美しい街、素晴らしい人々がいる。私たちは戦い続けて、勝利を掴むよ。でも、代償は大きい。多くの人が死んだ。私たちが生きているのは、第二次世界大戦の時代ではなく、2022年だというのに」
3月2日には、ロシアがウクライナに対する軍事侵攻を開始して、7日目を迎えた。各地で続く戦闘や被害の様子は、多くの国へ報じられており、日本でもロシア軍の攻撃が激化していることが伝えられているが、ヴォロニン氏の言葉どおり、すでにあまりに大きな被害が出ている。
(FOOTBALL ZONE編集部)