京都に0-1敗戦、DF酒井宏樹が終了間際に負傷して見えた厳しい台所事情

　浦和レッズは2月19日のJ1開幕戦、京都サンガF.C.との試合に0-1で敗れた。クラブ内で新型コロナウイルスの陽性反応を示した選手、スタッフがいたことへの影響は払拭し切れなかった。

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　今シーズン公式戦の初戦になった12日の富士フイルム・スーパーカップで川崎フロンターレに2-0で勝利した浦和だが、今週に入ってトップチームの選手5名、スタッフ5名が新型コロナウイルスの陽性反応を示し、症状の有無はあるにせよ療養、隔離の措置が取られていることが15日から17日にかけ段階的に発表された。

　そのため、このゲームでも試合前の時点から普段とは違うスタッフやコーチがウォーミングアップを担当する姿があった。また、ユース所属の4人を2種登録し、そこからFW早川隼平をベンチに入れて7人を確保する状態でもあった。

　先週の時点から負傷やコンディション不良で出場が難しかった選手もいるなかで、試合中のウォーミングアップエリアでも数えるほどの選手しか体を動かす姿がなく、起用する場合のプレー可能時間が限られた選手もいたと見られる。試合終了間際、右足を痛めた日本代表DF酒井宏樹に代わりピッチに立ったサガン鳥栖から移籍加入のDF大畑歩夢は、負傷からの回復途上でトレーニングキャンプがすべて別メニューだったことを見ても、かなり厳しい台所事情は垣間見えた。

　主将のGK西川周作は「コロナにかかってしまった選手が続出し、週の初めの練習ができなかった。それからは、いる選手、スタッフとで力を合わせていい準備はできた。試合をするにあたっての不安はなかった」と話す。実際に、流通経済大学から加入のルーキーMF安居海渡はスタメンデビューとなったが、リカルド・ロドリゲス監督が「本来ならボランチで起用してあげられたら良かった」と普段と違うポジションの起用だったことを明らかにし、本人も「ベンチだと思っていたけど急遽で入ることになった」とも話した。

　新型コロナウイルスの問題だけに、チームに戻るまでには検査で陰性が確認されることだけでなく、日数の規定もある。23日にはヴィッセル神戸とのゲームが待つ状況だが、ロドリゲス監督は「このタイミングで選手が増えることはないだろう。プレーできる選手を起用しながら最善のゲームプランを用意したい」と語る。大きく状況が改善するには、もう少し時間が必要なようだ。

　リーグ開幕のタイミングで苦しい状況に陥ってしまった浦和だが、西川は「今いる選手で団結してやるのが責任だと思っていた。だからこそ今日は結果を出してこの場（オンライン会見）にきたかった。ハードでタイトなシーズンになる。総力戦、1人1人が試合に出る準備をしていく必要がある」と無念の思いを口にする。

　ここから逆境を跳ね返すことができるのか、それとも大きな出遅れになってしまうのか続く神戸戦、ガンバ大阪戦のホーム2連戦は大きな分水嶺になりそうだ。