森保Jは「立ち上げ当初のまま」 金田喜稔が感じた懸念点「選手任せにしすぎている感がある」

日本代表イレブン【写真:©JFA】
日本代表イレブン【写真:©JFA】

2018年9月に新たな船出、新体制の方針に「自分も当初は賛同した」

 森保一監督が率いる日本代表は、11月11日のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第5節ベトナム戦で1-0と辛勝。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、森保監督のチーム作りについて「選手任せにしすぎている感がある」と持論を展開した。(取材・構成=Football ZONE web編集部)

 試合は前半17分、FW大迫勇也(ヴィッセル神戸)が敵陣で相手を背負いながら落とし、MF南野拓実(リバプール)が左サイドを持ち上がって左足で絶妙なラストパス。これをフルスプリントで駆け込んできたFW伊東純也(ヘンク)が蹴り込んで決勝ゴールを奪った。

 オーストラリア戦に続いて連勝を飾った日本。復調の兆しを見せるも、最終予選5試合を終えて3勝2敗の3位と苦戦が続いており、森保監督への風当たりも強まっている。

 森保体制の初陣は2018年9月11日の国際親善試合コスタリカ戦。3-0勝利で新体制の船出を飾ってから3年2か月が経過した。金田氏は「チームの立ち上げ当初は、選手たちの考えを尊重するのも分かる。森保監督は、選手たちが自分たちで考えてプレーすることを望むという考えで、立ち上げの時はあまり積極的に指示しないという方針だった。『なるほど、そういう考え方もあるな』と自分も当初は賛同した」と振り返る。

 しかし、ベトナム戦の内容に物足りなさを覚えたようだ。とりわけ目に付いたのはマネジメントの点だという。「今も立ち上げ当初のままで、選手任せにしすぎている感がある。今の状況を見る限り、選択肢が自分の中にないと考えざるをえない」と指摘しつつ、「これは物事の捉え方次第という側面もある」と付け加えた。

「コンディションのいい選手、好調な選手を積極的に登用して戦力の底上げを図れないというのは、スタンダードから外れている。ただ逆に言えば、自分の明確な考えや方針があるからこそ、選手のコンディションに関係なく、ほぼ固定メンバーで戦っているとも言える」

 森保ジャパンの懸念点を冷静に分析する金田氏だが、どれだけ言葉を並べても最終的に“結果の世界”と強調している。「物の捉え方次第で、結果を残せば、いい意味で信念を貫いた監督として評価されるだろう。そこはやはり結果の世界だ」と締めくくった。

 16日にアウェーのオマーン戦を迎える。森保ジャパンを巡り議論百出のなか、最終予選の初戦で0-1と敗れた相手とのリベンジマッチで“勝利という結果”が求められる。

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