金田氏が選手起用について言及「問題は、そういう状態の大迫を使い続けていること」

　森保一監督が率いる日本代表は、11月11日のカタール・ワールドカップ（W杯）アジア最終予選第5節ベトナム戦で1-0と辛勝。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、「なぜ使われないのか疑問しかない」「いい選手を試す勇気もないのか」と森保ジャパンの選手起用について自身の考えを主張している。（取材・構成＝Football ZONE web編集部）

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　2勝2敗のグループ4位で11月シリーズを迎えた日本は、前節のオーストラリア戦に続き、ベトナム戦でも4-3-3を採用。3トップに大迫勇也（ヴィッセル神戸）、南野拓実（リバプール）、伊東純也（ヘンク）が入り、中盤にMF田中碧（デュッセルドルフ）、MF守田英正（サンタ・クララ）、MF遠藤航（シュツットガルト）。最終ラインは右から山根視来（川崎フロンターレ）、吉田麻也（サンプドリア）、冨安健洋（アーセナル）、長友佑都（FC東京）が並び、GKは権田修一（清水エスパルス）が起用された。

　試合は前半17分、大迫が敵陣で相手を背負いながら落とし、南野が左サイドを持ち上がって左足でラストパス。逆サイドから駆け込んだ伊東が合わせ、日本が鮮やかに先制した。幸先良くリードした日本だが、その後は決定打を欠き、日本が1-0で辛勝している。金田氏は勝利という結果は評価する一方、内容については物足りなさがあると語る。

「（16日の）オマーン戦に向けて勢いをつけるような勝ち方をしてほしいと思っていた。ただ、その勝ち方の部分を除いてしまえば、目の前の勝ち点3を取ることが最優先になる。そこは最低限の目標で、アウェーで勝ち点3を取れたという、それ以上でもそれ以下でもない結果だった。内容的には不甲斐なく、決して褒められる試合ではなかったが、勝ち点3を取ったという点においては良かった」

　その一方、腑に落ちない疑問点として挙げたのが、選手の起用法だ。ベトナム戦の先制ゴールに絡んだ大迫だが、1試合を通しての存在感は以前よりも薄まっている。金田氏は大迫の状態よりも、好調とは言い難い大迫を起用し続ける判断に問題があると指摘した。

「ベトナム戦だけに限らず、大迫らしくないプレーが続いている。それはコンディションの面などがあるのかもしれないし、どんな選手でも好不調の波があるのは仕方のないことだ。むしろ問題は、そういう状態の大迫を使い続けていることだろう。つまり、森保監督の判断に疑問符が付く」