ミラン本田がつくる新たな「10」番像 指揮官が目にした「素晴らしいプロの、リーグ得点王の姿」

 

インザーギ監督をうならせる日々の努力

 ACミランのフィリッポ・インザーギ監督は4日、キエーボ戦後半33分に直接FKで2点目を決めた日本代表MF本田圭佑を絶賛した。間違いなく本田を再生させた指揮官は、試合後の記者会見で自らの功を誇らず、まな弟子の努力と活躍をたたえた。
「本田がやっているすべては彼の手柄(功績)によるもの、私は他の誰のおかげとも言いたくない。本田が来て初めの日から、最高のことを見せてくれている。技術的な点でも態度の面からもだ」
 1-0で迎えた後半33分、本田はゴール前左の位置で獲得した直接FKのチャンスに左足をふり抜いた。足元を放れ、曲がり落ちたボールは相手GKの手を弾き、ゴールネットへと突き刺さった。ミランでの公式戦では、初となるFK弾を決めた本田に、チームメートは次々と抱きついて祝福した。
 これで今季4得点2アシストとなり、セリエA得点ランク暫定首位にも立った。その大活躍には、指揮官のみならず、同僚からも厚い信頼を集めているという。インザーギ監督は言う。
「なぜなら、彼は常に2時間前に練習に来て、2時間後に帰る選手だから。それは素晴らしいプロ選手の、リーグ得点王の態度だ。試合まで持続性を持って準備をしている。信じられない」
 
 時間にルーズなイタリアというお国柄で、本田は練習開始2時間前にクラブハウスに現れ、ストレッチなど周到な準備を進める。そして、2時間後にしっかりとクールダウンを終えてからクラブハウスを後にする。そうした本田の姿は、多くの選手、スタッフにも認められている。
 FKを決める前は大勢の選手がキッカーに名乗りを上げたが、本田は譲ろうとしなかった。エゴイスティックの発露にも見えたが、指揮官も同僚も本田の地道な日常の積み重ねを知っている。ひそかな日々の努力が、この公式戦初のFK弾に昇華したのかもしれない。 

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