田中は「もっと中盤を制圧していかないといけない」と反省

　試合後、監督やチームメートたちからも、先制ゴールを挙げた田中には称賛の声が寄せられたという。オンライン取材でも、田中を褒める声が多かったが、当の本人は周囲の反応に違和感もある様子だった。

　この日、MF遠藤航、MF守田英正と組んだ中盤のトライアングルは、わずか2日の準備期間しかなかったとは思えない素晴らしい連携を見せた。だが、そうした声にも「全然、僕はそんなに（手応えは）ないというか、もっともっと田中碧がいるメリットを、存分に出さないといけないと思いながらやっていた」と語り、反省点を並べていく。

「ミスもあったし、強度もトップレベルに上げないといけないとかすごく感じた。その反面、初めて一緒にやる選手も多く、練習もできていなかったので、100点を求め過ぎてもストレスを感じると思ったので、許容しながらやっていたが、もっともっとボールを握りたいし、守備でもハメたい。そこをしっかり反省して、個人としても成長しないといけないし、チームとしても成長できると思う。もっと中盤を制圧していかないといけないし、できると思うので、まだまだ足りない」

　引退も覚悟して臨んだ大一番で、文句なしの結果を出しながらも、微塵も満足した様子を見せなかった田中。ジョホールバルの歓喜に日本中が沸くなかで、驚くほど冷静だったMF中田英寿に重なる姿勢を見せる中盤のコンダクターが、ここから日本をどこまで引き上げてくれるか、その期待が強くなる一戦となった。
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