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Jクラブ下部組織と部活サッカーの育成環境 親が抱く「違和感」と「本音」
【我が子を見守る親の声】息子2人が強豪高校サッカー部に通う家庭の実録
プロ入りを夢見てサッカーへ打ち込む我が子に対し、親はどう接しているのでしょうか。現在、息子2人が高校の強豪サッカー部に在籍する東京都内在中の那須川さん(仮名)の家庭では、我が子の進路を「親から決めない」という方針を貫いてきたそうです。
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現在、高校3年生と2年生の2人の息子は、ともに小学校のサッカークラブで本格的に競技を始め、その後、ワンランクレベルの上がる街クラブへ。兄はトレセンに選ばれ、中学時代はJクラブのジュニアユースでプレー。弟も中学3年間をJクラブ管轄のサッカークラブで過ごし、高校の部活動で研鑽する今に至ります。
我が子へ進路の決定を委ねてきたなか、Jクラブの下部組織と部活動それぞれの育成環境に対しどのような印象を抱いたのか、親の視点から話を伺いました。
◇ ◇ ◇
学生時代に父の和久さん(仮名)は野球、母の美恵さん(仮名)は水泳に打ち込んできたという那須川さん一家ですが当初、2人の息子を「スポーツをさせながら生きていかせようという思いはなかった」と父の和久さんは振り返ります。
それでも、幼少期からできる限り外で体を動かせるように育てていくと、息子たちの興味は自ずとスポーツへ。遊びの一環として野球、サッカー、バスケットボール、バドミントンなど様々な競技へ触れさせたそうですが、早くから特定のスポーツをさせるのではなく、小学校3年生までは自由に楽しませていたようです。
——幼少期の早い段階からサッカーへ打ち込ませるというのも一つの手ですが、あえてそうしなかったのはなぜですか?
父:私は“野球畑”の人間で、高校1年の夏まで本気でプロを目指して打ち込んでいたんですが肘をやってしまって……。幼少期から一つのスポーツに絞ってしまうと、それ特有の怪我に泣かされることが多々あるのは分かっていたんです。だからといって遅すぎると技術的に間に合わなくなってしまう。待っても小学校3年生までかなという感じで見ていたんですね。
——息子さんがサッカーを選んだ理由やきっかけは?
母:これといったものはなく、単に周りの友達がやっていたから魅力的に映ったようなんです。上の子が小学校3年の時、「サッカークラブに入りたい」って言うので、小学校のサッカークラブへ見学に行ったんです。そうしたら「今週からやる」って言われて。
私たちは息子たちへ「これをやりなさい」と、こちらから一方的に言ってこなかった家庭なんですね。自分の道は自分で決めなさいと。「辞めたい」って言わないで続けられるものならば、やりなさいと。その代わり「途中で諦めない」ということだけは約束して。何事も自分の意思というのを尊重してやらせています。
——進路の決定権は、我が子へ委ねているんですね。
父:いつまでも親が生きているわけではないですし、今後社会に出て、いざという時に意思決定できないっていう状況が一番怖い。それに、親が全部決めてしまった時に「俺は違うことしたかったのに……」という思いを持って生きてほしくなかったんです。
例えば「子供が凄い選手になったのは親のおかげです」とか、名誉みたいなものは僕らには必要なかったんです。すべて子供が選んだ結果、今の自分があるっていうのを実感してほしい。親からは情報は与えるけれども、決めるのは本人。成功も、失敗も、すべて自分の意思によって味わってほしいという思いがあって、そのような教育方針にしたというだけの話です。