「少しでもサッカーに近い感動を」 ウイイレプロゲーマーが見据えるゲームとスポーツの未来

「相互に新規ファンが増えていく可能性はある」

――実際にサッカーのファンの目に留まることや、交流する機会はあるのでしょうか?

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「サッカーの試合会場でeスポーツの仕事をさせていただくことがあり、その場でサッカーファンの方に『ゲームには馴染みがないけど、やってみて面白かった』と知ってもらえて、そこからSNSをフォローしてもらうこともありました。サッカーファンの方でもまだサッカーゲームの面白さやプレーヤーを知らない人が多いだけで、知る機会さえあれば、他のゲームよりは身近に感じられる存在なのかなと思っています。今後もサッカーファンの方にももっと知ってもらうことができれば、つながりができる可能性はあるんじゃないかと思っています」

――競技としてのウイニングイレブンに取り組むKaraage選手からは、その面白さをどのように伝えたいですか?

「サッカーファンの方はそれぞれに好きな選手がいて、好きな戦術や試合展開もあると思います。サッカーゲームには実際のサッカークラブと選手を操作して、好みの戦い方、表現したいサッカーを簡単に実現できる楽しさがあります。サッカーに対する戦術観などがうまくハマってゴールを奪えた時は、すごく気持ちいいですし、サッカーゲームの魅力ですね。今のサッカーゲームはすごく進化していて、戦術への理解はゲームでも生きるところがあります。サッカーを見ていて熱くなる方は、ぜひサッカーゲームで自分のスタイルを表現してもらえると楽しいんじゃないかなと思います」

――Jリーグクラブがサッカーゲームのeスポーツ大会に参入することは増えてきました。サッカー界とeスポーツ界の相互的な盛り上がりに向けて、どのような期待感を持っていますか?

「ウイニングイレブンをはじめ、サッカーゲームを楽しんでいる人の中には、もともとサッカーに馴染みがなかった人たちもいます。サッカーゲームを通して選手やクラブを知って、そこからリアルのサッカーも見るようになったという人も珍しくないんです。なので、“サッカーゲームからサッカー”といった形で、サッカーゲームのファンを増やすことは最終的にサッカーの盛り上がりにつながる部分もあると思います。当然ながら、逆にサッカー好きな方がサッカーゲームをするという流れも多い。どちらかが盛り上がると、必ずもう片方にもプラスになる関係だと思います。

 サッカーのゲームという特性を活かして、他のeスポーツとはまた少し違った路線で、例えば既存のスポーツとコラボする機会をもっと増やしていけたらいいのかなとも思っています。クラブの名前を出して大会を行っていくことで、サッカーファンが見るチャンスにもなる。ゲーム単独ではなく、常にサッカーとの接点がある形でのいろいろな仕掛けが行われていくと、相互に新規ファンが増えていく可能性はあるんじゃないかと感じています」

――互いに盛り上げ合い、発展していく形になれば理想的ですね。

「リアルスポーツのリーグ戦と違って、eスポーツの大会は短期間で行われることが多い。サッカーや野球は、長期間でじっくりリーグとして楽しめて、選手も集中して取り組めるような仕組みがあります。もっとeスポーツ選手も競技に集中できるような環境ができればいいですし、そのためにはスポーツとのコラボで相乗効果がどれだけ生み出せるかがカギを握っていると思いますし、今後のさらなる盛り上がりに期待したいですね」

[プロフィール]
Karaage/1991年7月22日、新潟県出身。JeSU(日本eスポーツ連合)公認プロライセンス所有。eFootball Open 2020 日本代表、PES LEAGUE WORLD TOUR 2018 アジアラウンド日本代表、WESG(World Electronic Sports Games)2018 優勝、PES LEAGUE 2019 日本ベスト4、Red Bull 5G 2016 西日本代表など、「ウイニングイレブン」競技シーンで数々の実績を持つ。

(片村光博 / Mitsuhiro Katamura)



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