東大を率いる元Jリーガー監督、“超頭脳軍団”での挑戦 「勝負に拘る厳しさ教えたい」

「勝負に拘る厳しさを伝えたい」

――選手から監督へと立場が変わり、試合に臨む心構えも変わってきましたか?

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「イメージしていたものと違うということはないんですけど、やっぱり選手としてやっている時よりも負けた時の落ち込みが全然違うんですよね。プレーしていないのにどっと疲れがくるんです(笑)。自分がプレーして負ける分には納得できる部分もあるんですけど、監督はピッチの外にしかいられないので、選手時代よりも考えてしまいますね」

――大学サッカーならではの難しさというものはありますか?

「もちろん、監督だったら誰にでも理想のサッカーはあると思いますけど、それを実現できる選手が揃っているのか、自分たちの選手のキャラクターを見て何ができるのかという部分を考える必要があります。もっと言えば、自分たちが所属しているリーグのことも考えないといけません。

 相手のほうがレベルが高い場所で、自分たちのやりたいサッカーが本当にできるかといったら、それは難しいですよね。もちろん、ア式蹴球部がやろうとしているところにも沿っていかなければいけないですけど、サッカーでも理想と現実の部分はありますからね。例えば、バルセロナを相手にリーガの最下位クラブがボールをポゼッションして戦おうとして、それが勝つ確率を上げることに繋がるかといえばそれは違うんじゃないか、と。

 そこはやっぱりプロとは違う部分で、難しいなと思います。プロだったらある程度は監督のやりたいサッカーを追求することはできると思うんですけど、大学として『こういうサッカーを続けていきたい』という部分がある。僕個人としては第一義として試合は勝つためにやるわけだから、そこの本質は忘れちゃいけないよね、という思いがある。大学として目指すものを追求しながらも、現実的なサッカーをする。そのバランスが難しいところですね」

――プロの世界であれば、結果が出ればそこで評価されますからね。

「そうなんです。内容ももちろん重要ですけど、僕自身は結果で評価される厳しい世界にいましたから。大学サッカーとはいえ、そういう勝負に拘る厳しさの部分は常に練習でも選手たちに伝えていきたいと思っています」

[プロフィール]
林陵平(はやし・りょうへい)

1986年9月8日生まれ。34歳。明治大で関東1部リーグ優勝を経験。同大卒業後にジュニアユース、ユースでプレーした東京ヴェルディに加入し、プロデビューを果たした。その後、柏レイソル、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、FC町田ゼルビア、ザスパクサツ群馬と計6クラブを渡り歩き、2020年シーズン限りで現役を引退。Jリーグ通算300試合出場67得点。21年から東京大学運動会ア式蹴球部の監督に就任した。

(石川 遼 / Ryo Ishikawa)

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