東京五輪“最終選考”に影響? U-24代表、異例「兄弟対決」の注目は“中1日”の起用法

U-24代表にミャンマー戦のA代表メンバーが12人…大きな実力差はない

 A代表とU-24代表の試合に話を戻すと、正直、多くのメディアで注目のマッチアップが取り上げられているが、上記の事情を加味すると、例えばJ1で首位を走る川崎フロンターレの選手(A代表がDF谷口彰悟とDF山根視来、U-24代表がFW旗手怜央、MF田中碧、MF三笘薫)が敵味方に分かれての対戦というのは限定的になるかもしれない。

 その一方で、U-24代表はFWが国内組しかおらず、1トップのFW上田綺世(鹿島アントラーズ)と元鹿島のDF植田直通(ニーム)、DF昌子源(ガンバ大阪)の元鹿島CBコンビによるバトルや、Jリーグが土曜マッチだった左サイドバックのDF古賀太陽(柏レイソル)と元柏のMF伊東純也(へンク)によるマッチアップ、FC東京の同僚だったMF橋本拳人(ロストフ)とMF久保建英(ヘタフェ)の中盤での攻防は長い時間観られるかもしれない。

 いずれにしてもU-24代表はオーバーエイジの吉田、酒井を含めてミャンマー戦にフル出場したDF板倉滉(フローニンゲン)もおり、別メニュー調整中のDF冨安健洋(ボローニャ)がこの試合に出なかったとしてもA代表の主力でほぼディフェンスラインが組め、中盤には遠藤航が構えることを想定すれば、そう易々とA代表に破られることはないだろう。

 “兄弟対決”という触れ込みから世間的にはA代表に重圧がかかる試合だが、ミャンマー戦のA代表メンバーが12人いることを考えても大きな実力差はなく、良い意味でどっちが勝つか分からない試合だ。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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