3/3にお披露目! 今季横浜FMが挑むファンとの新たな結び策とは?

日本一、世界一を目指すこだわりのスタジアム演出とは?

 メインとなるのは、日産スタジアムやニッパツ三ツ沢球技場の大型ビジョンで、キックオフ前に流される選手紹介映像だ。横浜FMでは音楽・映像・撮影・編集までのすべてを一貫してクリエイティブ集団が制作しており、今年はオリジナル曲の音源も制作した。

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 ホーム開幕戦当日まで微調整を続けるこだわりを見せるのが、「日本一、世界一、いいものを作る」ことを心掛けている株式会社エヌディーヴイの小宮清明氏だ。

「横浜の街をホームタウンにしているのでスタイリッシュで、かつ先端的な印象を受ける楽曲になるように心掛けました。トレンドを抑えつつ、チームカラーのトリコロールは正義やヒーロー感もするので、そのあたりも曲に反映できたらと。声を出して応援ができない状況が続く場合には、ファン・サポーターの皆さんのアクションは手拍子だけになります。そこで、手拍子しやすいリズムやスピード感を強く意識しました」

 クラブ側から小宮氏に出された主なリクエストは、①手拍子しやすい音楽であること、②BPM(Beats Per Minuteの略でテンポのこと)をこれまでの曲と合わせること、③クラブサウンドやEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)に変更することの3つだ。これらを受けて小宮氏がクラブに提出した候補曲はABCの3パターン。Aはこれまで使用されていた楽曲の流れを汲み、Cはこれまでの曲調とは全く異なる。Bはその中間といったところだが、クラブが最終的に選んだのは、Cだった。

「僕らはAが選ばれると予想していました。でも、Cが選ばれたと聞いて、クラブとして本気でガラリと変わることを望んでいると感じました」

 とはいえ、小宮氏自身も楽曲的にはCを推していた。

「個人的にいいと思っていたのはCでした。これまでとは思いっきり変わった楽曲だったので、これが選ばれたらいいなと思っていました。実は、先に制作したのはBとCで、それがあまりにもこれまでとは違い過ぎていたので、ちょっと心配になってあとからAを作ったのです。だからCが選ばれたことは意外でしたし、逆に『ヨッシャー!』って嬉しかったですね」

 実は、横浜FMの選手紹介映像はJリーグでも評判が高い。アウェイ側のチームスタッフやファン・サポーターが映像に見入り、「かっこいい」と口にするのを聞いたことがある人もいるだろう。その評判の高さは、選手たち自身も認識している。

「撮影の時は、選手の皆さんがものすごく協力してくれます。ちょっと照れながらも、指示を出せばすぐに対応してくれる。サッカー選手なのに、なかなかできることではないと思います。選手たちも毎年期待していただいているのだなって感じます。映像制作で心掛けていることは、監督や選手の姿や魅力をありのまま見せること。派手に見えますけど、あまり脚色せずにそのままを見せるように仕上げているのです」

 あくまでも評価・判断するのは、スタジアムで映像を見る観客だ。小宮氏は毎年ホーム開幕戦には、観客席でファン・サポーターの反応を見て確認しているという。

「選手紹介映像の前に流れるイントロの部分で感極まるのか、涙を流している方もいらっしゃいます。キックオフに向けて感情を高めていきたいというこちらの取り組みと、皆さんそれぞれの感情が一致したと感じた時に、とても喜びを感じます」

 他クラブではウォーミングアップ中などに選手紹介映像が流されることもあるが、横浜FMの場合は、キックオフのために選手が入場する直前のタイミングで放送される。そして、選手紹介前にイントロが入ることもポイントだ。

「イントロの部分は、ファン・サポーターの皆さんが集中して映像を観ていただいている。そのスタジアム全体が集中している感じと、続く選手紹介でボルテージが高まって選手の入場を迎える展開は、これからも継続していければと思っています」

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