3/3にお披露目! 今季横浜FMが挑むファンとの新たな結び策とは?

横浜FMの本拠地である日産スタジアム【写真:高橋 学】
横浜FMの本拠地である日産スタジアム【写真:高橋 学】

コロナ禍の静かなスタジアムで感じた“音の重要性”

 スタジアムの雰囲気作りに欠かせない要素の一つが、ファン・サポーターの応援、歓喜、鼓舞という声援だ。ただ、昨年、一変した。新型コロナウイルス感染症により、スポーツの会場には様々な制限が設けられ、多くのサッカーファンも「音のないスタジアム観戦」を経験した。選手の指示出しの声や息遣いまでもがスタジアムに響き渡る。新鮮な体験ではあったが、やはり何かが物足りなかった。さまざまな制限下でもコロナ以前の雰囲気を出したい。新たな世の中で、ファン・サポーターとスタジアムで結びつく新たな施策を横浜F・マリノスが打ち出す。

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 横浜F・マリノスが、スタジアム演出を一新する。大きく変わるのは選手紹介時に流れる音楽だ。この理由について、マーケティング本部FRM事業部の永井紘氏は「これには明確な理由がある」と語る。

「ホームゲームで起きたことをYouTubeやSNSで紹介する時に、オリジナルの音源ではなかったので自由に扱うことができませんでした」

 横浜FMは昨年、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に参戦した。そこで、ACL用とリーグ戦用に2パターンの選手紹介映像を準備していたという。

「昨年はコロナ禍で選手紹介の映像をファン・サポーターの皆さんが非常に楽しみにされていたので、SNSにアップしようと思っていました。でも、オリジナル音源ではなかったので自由に使用することができませんでした。そこで、オリジナルを作成することでSNSなどクラブオウンドメディアにも使用範囲が広がるのではないかと思いました」

 認識はしていたが、なかなか手をつけられていなかった。しかし、昨年のコロナ禍で状況が一変した。無観客で再開されたJリーグは段階的に入場者数の制限緩和を行い、スタジアムには徐々に人が戻ってきた。しかし、人はいるが、話し声は聞こえない。感染予防の観点から声を出すことが規制されているため、人々の発声がないのだ。スタジアム周辺でも、観客席でも、コンコースでも、それはとても静かな光景だった。そのため、逆にスタジアム演出に使用される音楽が、より耳に残ることになった。

「遊園地では、入場ゲートをくぐったら音楽が流れている。その音楽のおかげで非日常の世界に入ることができます。今までは、大勢のお客様に来ていただき、皆さんの大きな声、歓声がスタジアム観戦の空間を作っていたと思います。ですから、今まではそんなに気にならなかったのですが、昨年のコロナ禍で、特に入場者数の制限が緩和された後半は、スタジアムの音がすごく気になってしまった。もしかしたらコロナ禍だからこそ、“音の重要性”が相対的により上がっているのではないかと思ったのです」

 そこで、これまで薄々感じていながらも着手することができていなかった“音楽”の改善に取り組むことになった。今シーズンは日産スタジアムのコンコースでも音楽を流す準備を進めている。

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