元日本代表の“名ボランチ”が遠藤航を称賛 ドイツで「洗練されてきた」プレーとは?

「デュエル勝利数」でブンデスリーガ1位 「『ここで取る』という力のかけ具合が上手い」

 遠藤が現在所属するシュツットガルトに移籍したのは、2019年夏だった。前シーズンにシント=トロイデンで公式戦28試合2得点の成績を残したことが評価される形で、当時ブンデスリーガ2部だったシュツットガルトに1年間の期限付き移籍で加入している。開幕時の評価は低くベンチを温め続けていたが、第14節カールスルーエ戦(3-0)で初めて先発出場すると、そこからボランチのレギュラーに定着。リーグ戦21試合1得点の成績を残すとともに、チームの1部昇格に大きく貢献した。

 福西氏は遠藤の近年の成長について、「激しさのあるドイツでボランチをし続けているのが大きい。プレッシャーのかかり方はセンターバックとは全然違う」としたうえで、「組織的な部分が大きい(ドイツサッカーの)なかで自分をどう生かしていくかという感覚をつかむのに、2部から1部という流れは慣れやすい環境だったかもしれないし、洗練されてきたなと思います」と、ドイツに渡ってからの約1年半で着実にステップアップを果たしていると見ている。

「ミスが少なくなってきたなと思いますね。あとは(ボールを)取れるという自信が大きいんじゃないですか。取り方というか、『ここで取る』という力のかけ具合が、上手くなってきた気がします。1対1でも自分の体勢が良い時にこそボールを取れるわけで、その体勢を作り出すために少しの力を使いつつ、取れるという自信のある時にガツンと行って取れたり。力のかけ方というか、そこが上手くなったんじゃないかなと。守備でリズムを作れるからこそ、頭もクリアになっているんじゃないかなと思います」

 その一つの成果として表れているのが、今季ブンデスリーガでの「デュエル勝利数」のデータだ。遠藤は第14節終了時点で「221」の数値を残しており、リーグ1位に君臨している。ドイツに限らず、世界中から屈強な選手が集うブンデスリーガで、日本人が1対1の競り合いでの勝利数でリーグトップに立っていることに、福西氏も「素直に凄いことですよ」と称える。

「もちろん、(外国人選手に)絶対的に敵わないことは、体格的にもあるしパワーの部分でも絶対に出てくる。そのなかで、どうすればボールを取れるのかというのを(遠藤は)体現してくれていると思う。寄せ方とか、寄せた後の駆け引きとか、駆け引きした後の取りどころとか。そういう部分を、自分が成長して結果を残し、自信をつけて、思い切ってプレーできていることにつながっていると思います」

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング