首位浦和を守備偏重の策で迎え撃った横浜FM 主将の中村は「現時点ではこれがベスト」

「サポーターには少し我慢してほしい」

 この日は得意のドリブルでチャンスを演出する齋藤が不在の中で、代わりに先発した18歳のMF遠藤渓太がカウンターから3度決定機を迎えた。「遠藤は(齋藤)学の怪我もあってチャンスもつかんだ。カウンターからいい仕掛けをしてくれた。残念ながらチャンスで決めることはできませんでしたが、狙い通りの戦いができた」と、抜擢された選手の活躍も含めて結果はイメージ通りだったと主張している。

 チームをけん引する主将の元日本代表MF中村俊輔は、チームの戦い方に関して「引き過ぎていたという見方もあると思うけど、選手層、レベル、タイプを考えたら、現時点ではあのやり方がベスト」と分析している。

 首位の浦和が相手とはいえ、横浜FMもリーグ3連勝と好調を維持し、4位につけていた。それだけにこの試合の戦い方は弱気な姿勢に映ったが、背番号「10」は冷静にチームの状況を見つめ、「サポーターには少し我慢してほしい。現時点ではこれがベスト」と繰り返し強調した。

 加入後、2試合目の出場となったカイケ、MFマルティノスの両外国人もコンディションは万全とは程遠く、連携面でも不足している点は否めない。チームが成熟し切っていないなかでの勝ち点1については、プラスに捉えていると前を向いていた。

【了】

石川 遼●文 text by Ryo Ishikawa

 

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