女性で外国人…辞書片手にライセンス講習 Jリーグ佐伯理事の“壮絶”な指導者キャリア

今年3月からJリーグの常任理事に就任した佐伯夕利子氏【写真:ⓒJ.LEAGUE】
今年3月からJリーグの常任理事に就任した佐伯夕利子氏【写真:ⓒJ.LEAGUE】

【Jリーグ・佐伯夕利子理事インタビュー|第2回】高校卒業後にスペインへ、指導者の夢抱く

 日本代表MF久保建英が今季所属するビジャレアルで、長年スタッフとして働く佐伯夕利子氏が、今年3月からJリーグの常任理事に就任した。18歳でスペインに渡り、19歳から指導者の道に進んだ佐伯氏は、スペインで日本人として初めてS級相当のライセンスを取得して各年代の指導にあたり、日本人および女性で初めて同3部で監督を務めた経験を持つ。女子チームではアトレティコ・マドリードなどビッグクラブで指揮を執ったこともあり、2008年から現在のビジャレアルでフロントスタッフを歴任。海外での日本人指導者、女性指導者の第一人者である佐伯理事は、どのようにしてサッカーと出会ったのか――。「Football ZONE web」の独占インタビューでこれまでのキャリアを振り返った。

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 サッカーに初めて出会った瞬間は、今でも忘れない。小学1年生の時だった。父の仕事は転勤が多く、千葉から福岡の小学校に入学。「小さい時からおてんば娘」だったという佐伯理事は、毎日のように同級生の男の子たちと遊んでいた。そんなある日、ある男の子が大きなサッカーボールを持ってきた。地元のサッカーチームに入団したその少年は「これでサッカーしよう!」と呼びかけ、ルールを教えてくれた。

「あの時代、サッカーの認識もなかなかなくて、ラグビーのほうが知られているような時代だった。これまではビニール製のドッチボールとか軟式野球ボールとかしか見たことがなかったので、ツヤツヤの皮のサッカーボールがめちゃくちゃカッコよく見えて。サッカーの遊び方も子供にはすごく簡単で分かりやすくて、入り込みやすかった。最初は足で蹴飛ばすとかありえなかった。缶二つの間に入れたら1点という単純さの虜になって以来、夢中になった。でも、当時は女の子が少年団に入るというのは責任問題で認められていなくて……父兄会でも認めてもらえなかった。1年後ぐらいにようやく入れてもらえて。以来、転校先で男の子と常にやってきた」

 幼稚園は3園、小学校は3校、中学でも3校を渡り歩いたが、中学2年生以降は男子と混じって部活動でサッカーをすることができなかった。渋々サッカーは諦め、他のスポーツに励んでいた。あれだけ好きだったサッカーと触れ合う機会がないまま、突然転機が訪れる。高校を卒業した18歳の時、父の仕事でスペインへ行くことになったのだ。

「父の仕事でスペインに来てみたけど、スペインがサッカー大国ということも知らなくて。最初にプロのサッカーの試合を観に(サンティアゴ・)ベルナベウにレアル・マドリードの試合に連れて行ってもらって、8万人入るスタジアムを見て『こんなにサッカー大国なんだ』と知った。こんなにサッカー大国なら、きっと女の子が普通に練習できるチームがあると思って、片言のスペイン語で、辞書を片手にサッカー協会に直接電話して問い合わせた。とにかくサッカーをしたいという意志表示だけをした」

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