“抜けないウインガー”復権の裏側 ミランにオレ流を認めさせた本田の人間力

パンキナーロからの復権

 ベンチに置かれた本田は10月4日のナポリ戦後、クラブとシニシャ・ミハイロビッチ監督、サポーター、メディアを批判 した。6節から16節まで11試合連続でベンチスタートとなり、パンキナーロ(ベンチ要員)というありがたくない異名を地元メディアから授かった。

 しかし、昨年12月のフロジノーネ戦でシステムが4-4-2に変更されると、本田は復権した。先月のジェノア戦では16カ月ぶりにゴールを決めた。そうしたポジティブな変化の要因は、本田ではなく、周囲にあったという。

「今は誰もがこの日本人をどんなタイプの選手なのか、理解した。典型的なサイドの選手ではない。スピードがあってマーカーを抜き去るような選手ではない。サイドで戦術的な選手だ。必要な時にはカバーに走る。スペースに入り込み、味方のためのスペースを広げ、アバーテとオーバーラップし、優れた連係でゲームを作った。1月には移 籍すると言われていたことを考えてみてほしい」

 本田は、3トップシステムではウインガーとして局面打開力を色濃く求められたため、ベンチ要員となった。一方で、単騎突破を特徴とする現ジェノアのイタリアMFアレッシオ・チェルチが重用された。スピードを持たない本田は、周囲との連係でゲームを組み立てて相手守備網を崩していく。縦への推進力を誇るアバーテとの相性は抜群だ。

 

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