かつての名参謀が嘆くマンチェスター・Uの現在 「彼らはユナイテッドの流儀を捨ててしまった」

クラブのDNAを放出

 マンチェスター・ユナイテッドの元アシスタントコーチのマイク・フェラン氏は、地元出身の生え抜きのイングランド代表FWダニー・ウェルベックを放出したルイス・ファン・ハール政権の方策を厳しく非難した。英国営放送「BBC」が報じた。
 アレックス・ファーガソン元監督の政権下で2001年からトップチームのコーチを務め、ファーギー退任とともにマンUを去ったかつての名参謀は憤りを隠しきれない様子だった。
「彼らはユナイテッドの流儀というものをすこし捨ててしまったのかもしれない。若手を育てるよりもどこから買ってくるのかが問題になっている。ダニー・ウェルベックのような存在がユナイテッドの存在意義だったが、それは壊れてしまった」
 ウェルベックはマンチェスター出身の生え抜きで、6歳で地元の名門にその才能を見いだされた。2度レンタル移籍を経験したが、マンチェスター・U一筋の期待のストライカーだった。
 だが、ルイス・ファン・ハール監督は、ウェルベックらを大量放出し、大型補強を敢行した。コロンビア代表FWファルカオをモナコから1年レンタルで獲得。英国史上最高の移籍金でレアル・マドリードからアルゼンチン代表MFアンヘル・ディマリアを迎え入れるなど、潤沢な資金力でタレントを次々と買い漁った。かつてのマンチェスター・Uはデイビッド・ベッカムらアカデミー出身の若手が成熟し、トップチームの中核となるサイクルを誇っていたが、それは完全に過去の話となった。
 オランダ人指揮官の振るう大なたの威力は、クラブのDNAにも大きな影響を及ぼそうとしている。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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