アナウンスも混乱!? GK菅野孝憲、「数秒間、時が止まった」衝撃の88mロングキック弾

GK菅野孝憲が決めたロングシュートを回顧【写真:Getty Images】
GK菅野孝憲が決めたロングシュートを回顧【写真:Getty Images】

【J番記者が選ぶスーパーゴール|横浜FC編】2004年J2第22節サガン鳥栖戦(後半1分)…菅野孝憲の超ロングシュート弾

 世間的には2007年のJ1リーグ第1節・浦和レッズ戦(1-2)の、元日本代表FW久保竜彦によるいわゆる「ひょっとこロングシュート」を推す向きが強いだろうが、そちらは地上波などでお目にかかることもままある。

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 そこで懐かしい2004年のJ2リーグ第22節・サガン鳥栖戦(3-0)のGK菅野孝憲が決めた推定88メートル弾を挙げたい。当時のJリーグ最長距離ゴール(2020年5月時点で最長記録はGK村山智彦の推定92.9メートル)で、この時、筆者はいちファンとしてバックスタンドから観戦しており、Jリーグの現場に入って取材活動を始める以前のできごとだった。そのため、取材メモなども残っておらず、細部においては曖昧な記憶に基づく部分もある。

 ゴールシーンは後半1分、自陣左サイドのペナルティーエリア手前でFKを得た横浜FCはGK菅野がキッカーを務め、一気にロビング気味のボールを前線へ供給した。現在ではこの位置でFKを獲得した場合、J2でもつなぐチームばかりとなったが、当時はGKがロングボールを蹴るのも珍しい光景ではなかった。

 ボールは横浜FCのFWの頭上も超え、相手ペナルティーエリア内でワンバウンド。このバウンドは想定外に大きく伸び、相手GK富永康博の頭上を越えてゴールに吸い込まれた。記憶をたどれば、7月の特に湿度の高い日だったため、芝が結露していたゆえのボールの軌道だったものと推測される。

 ゴールの瞬間、スタンドで何が起きたかを瞬時に理解した者は少なかったはずだ。まるで数秒間、時が止まったかのようだった。もちろん得点が入ったことを喜ぶサポーターの姿はあったが、いつものゴールのように手放しで祝福するのではなく、どこか戸惑いが交じっていた。

 当の横浜FCの選手たちも、どこか困惑した様子だった。おそらく最初に「自分の蹴ったボールが相手ゴールに入ったらしい」と理解したのは菅野だろうが、菅野本人も派手なガッツポーズなどはせず、照れ笑いのようなものを浮かべていた。

 ゴールのあとに場内アナウンスで「ただ今の得点は、横浜FC、(FW)眞中靖夫選手の…」と、いったん誤報が流れたことも、現場の混乱を物語るものとして強く印象に残っている。

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