英記者が語る“香港のコロナ禍” Jリーグへの“解決案”を提言「シーズン進行の最良の手段」

香港のサッカーリーグが施した対応 「慎重な姿勢を崩さなかった」

 ただ、特に学生だが、香港に人々が戻ることで、それまでの見事な対応を台無しにする恐れがあった。街のナイトスポットであるラン・カイ・フォンにあるバーやクラブに人が殺到しており、感染が拡大した。その結果、政府は取り締まりを強化し、ナイトスポットは閉鎖され、団体行動も最大4人にまで制限した。これは、香港リーグや地域の様々な大会などのサッカー活動も停止させる動きとなった。

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 規制が強化される前も、サッカーは非難に晒されながらも試合を継続していた。香港サッカー協会は隔離された状態で試合を続行することを決定していた。試合はコントロールが容易い新界東のスポーツセンターで実施された。スタジアムにはファンを入れなかったため、フェイスブックでライブ配信され、試合後に選手はピッチサイドでマスクを着用した記者の取材に応じていた。

 香港リーグの一部の試合と同様に香港のカップ戦の準々決勝と準決勝が行われており、スケジュールは短縮されたものの、試合自体は実施されていた。しかし、政府が公共スポーツ施設の閉鎖を命じた3月23日にすべてが中断された。自分たちの施設を所有しているクラブはほとんどなかったため、リーグの閉鎖は避けられない事態だった。

 幸いにも、政府の迅速な対応と一般市民の新規則順守により、感染者の軌道は下降線を辿った。4月23日まで感染者は合計1035人のみで、4人の死者にとどめている。これは世界最高の数値だ。それでも、香港サッカー協会は慎重な姿勢を崩さなかった。香港リーグは再開の目処を立てず、カップ戦の決勝戦も9月か10月まで行われない。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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