【地元記者の視点】TIMカップで活躍も、ミラン本田は開幕スタメンの確保には至っていない
「昨季よりも成長している」
ACミランMF本田圭佑は23日、ユベントス、サッスォーロとの変則三つどもえマッチで行われたTIMカップで2戦合計1ゴール、1アシストを記録した。ミランの同杯優勝に貢献し、大会MVPに選ばれた。辛辣で有名なイタリア人記者も本田をMOMに推して最高点を付けたが、30日のラツィオ戦で幕を開ける今季セリエAでのレギュラー確保は困難と見ている。
イタリア最大紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」のG・B・オリベイロ記者は45分ハーフ3本という変則フォーマットでの本田の2試合に対し、6.5点と高得点を与えている。
「彼がユベントス戦で勝利をもたらしたと言っても過言ではない。他にも2回シュートシーンがあった。確実性も高く、躍動感を表現しながら、いつも以上にゲームに関与していた」
4-3-3システムの右ウイングで先発した本田は、ユベントス戦30分にDFデシリオのクロスを左足で合わせ、決勝点を挙げた。イタリア王者相手に果敢にシュートを狙うなど、コンディションの良さを見せていた。だが、本田のリーグ戦について、ミランの番記者は厳しい視点を変えていない。
「昨シーズンよりも成長しているが、このポジションは彼にとって正直容易ではない。懸命によくやっているが、右サイドに開いてプレーすることは彼には難しい。スタメンになれるかという質問に答えるなら、今すぐにはスタメンにはなれないと私は思う。だが、もう少し成長すれば、スタメン出場も可能だと思う」
昨年クラレンス•セードルフ前監督に、4-2-3-1システムの右ワイドで起用された本田だが、スピードと突破力の欠如が顕在化していた。ユベントス相手にゴールを決め、サッスォーロ戦でもアシストを記録したが、それでも現状では右サイドでの適正はないというのが、ミランを見つめ続けるカルチョの国の記者の分析だ。
ユベントス戦では元フランス代表FWジェレミー・メネズが左ウイングを務め、サッスォーロ戦では1トップの位置に入った。本職はウインガーだが、その技術とセンスの高さからさまざまなポジションを兼務できている。若きエースと期待されているステファン・エルシャラウィはサッスォーロ戦のみの出場となった。
本田はメネズとエルシャラウィというサイドアタッカーより先んじてレギュラーになるには、さらなる精進が必要とオリベイロ記者は指摘している。