イタリアで語り継がれる”NAKATA伝説” ローマに栄冠をもたらしたユベントス戦の衝撃弾

両者の対戦が迫るたびに繰り返される2000-01シーズンの名シーン

 イタリアにおけるライバル物語の中で、一人の日本人選手の名前が今も語り継がれている。今週末に、イタリア・セリエAではユベントスとローマの対戦が組まれている。イタリアのサッカー情報サイト「カルチョメルカート・コム」では、両チームのライバルとしての歴史を紹介している。

 クローズアップされる名前は、中田英寿だ。2000-01シーズンの後半戦での対戦で、当時ローマに所属していた中田は、0-2のビハインドを背負っていた後半20分に、絶対的なキャプテンであり永遠の王子であるフランチェスコ・トッティとの交代で出場。そして、右足を振り抜いて強烈なミドルシュートを決め、1点差に追い上げた。こぶしを握り締めて吠える彼の姿は、今でも記憶に残る名シーンだ。さらに、試合終了間際にも中田が右足を振り抜いたシュートのこぼれ球から同点ゴールが生まれた。

 このシーズンで優勝争いをしていた両チームの直接対決で引き分けに持ち込んだことで、ローマはタイトル獲得に大きく前進。あのシーズン以来、首都クラブはリーグ制覇から遠ざかっている。21世紀初のスクデットをもたらした中田は、今でもロマニスタの間では英雄として記憶されている。日本人を見かけるなり、「ナカータ」と声を掛けるイタリア人すらいるほどだ。

 今回はユベントスのホームゲームということで、ユベントス目線で書かれたこの記事では、この試合の直前に外国人枠が撤廃されたことを恨み節のように記述している。シーズン終了から5節目の第29節(当時は18チームでのリーグ戦)から適用されたこのルールで登場した中田について、「本来ならいなかったはずの救世主で、ユベントスのモッジGM(当時)は正気を失って怒り狂った」としている。

 

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