「ティキ・タカの死」 “バルセロナ化”の一大トレンド終焉にスペイン紙が注目

バルサの代名詞「ティキ・タカ」はもはや時代遅れとなったのか?【写真:Getty Images】
バルサの代名詞「ティキ・タカ」はもはや時代遅れとなったのか?【写真:Getty Images】

ペップ時代のバルサは支配率73%も、バルベルデ監督が率いる現在は53%まで減少

 かつてのバルセロナやスペイン代表のように、ショートパスを素早くつないで相手のゴールに向かうスタイルが主流だった時代は完全に終わったのだろうか。スペイン紙「マルカ」は「ティキ・タカの死」と特集し、主要クラブの戦い方に大きな変化が訪れていると指摘した。

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「ティキ・タカ」は素早いショートパスをつないで試合をコントロールするスタイルのことで、現マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が率いたバルセロナ(2008〜12年)や、そのバルセロナのメンバーが主軸だったスペイン代表の代名詞的に使われることが多くなった。世界中のクラブが“バルセロナ化”を目指し、「ティキ・タカ」はサッカー界の一大トレンドとなった。

 しかし、時代の変化とともに「ティキ・タカ」の流行も消滅しつつある。すでにグアルディオラ監督自身もメディアで「ティキ・タカ」を否定しており、その言葉だけが独り歩きしている状況だ。

 スペイン大手紙「マルカ」はそうした時代の変化を「ティキ・タカの死」と称し、トップクラブの戦い方には大きな変化が見て取れると指摘している。

 例えば、グアルディオラ監督が率いた当時のバルセロナにおけるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)での平均ボールポゼッション率が73%もあったのに対し、エルネスト・バルベルデ監督率いる現在ではそれが53%まで減少。自分たちでボールを保持することで優位性を保つという当時の考え方から大きな変化が生じている。

 同じくグアルディオラ監督が率いていたバイエルンでも平均ボールポゼッション率が当時は71%だったのに対し、こちらも現在は57%になっているという。

 その他の強豪クラブでも、数年前から平均ボールポゼッション率(いずれもCLでのスタッツ)に大きな変化が出ている。

■インテル/11-12シーズン:53%→今季40%
■リバプール/09-10シーズン:61%→昨季51%
■マンチェスター・ユナイテッド/2011年:62%→昨季44%
■パリ・サンジェルマン/15−16シーズン:63%→今季54%
■レアル・マドリード/昨季:62%→今季56%
■バレンシア/10-11シーズン:62%→今季46%
■アトレチコ・マドリード/09-10シーズン:54%→今季50%

 また、こうした変化により「ティキ・タカ」を好んだ監督たちがトップレベルでの仕事を手にできていない現状があるとも指摘。イングランド2部のリーズを率いる鬼才マルセロ・ビエルサ監督や、かつてチリ代表などを率いて現在無所属のホルヘ・サンパオリ氏らの名前が挙がっている。

「ティキ・タカ」時代の終焉により指揮官たちの勢力図も着実に塗り替わっているようだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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