久保建英、夢のカンプ・ノウで進化を証明 バルサ番記者も称賛「素晴らしい才能を目撃」

「フットボール・マジョルカ」のアルベルト・セルコス記者【写真:Football ZONE web】
「フットボール・マジョルカ」のアルベルト・セルコス記者【写真:Football ZONE web】

マジョルカの地元記者も脱帽 「18歳だけど強い個性を備えている」

 久保は試合後、バルセロナ戦について「幸運にもフル出場することができた。全力を尽くしたが十分ではなかった」と振り返った。

 ボールを持つたびに大ブーイングを受けたことについて、「ブーイングは観衆の決断だ。僕が自分の決断を下した一方、彼らには僕にブーイングをする権利があると思う。でも僕に拍手を送ってくれる人もいたし、それが力になった」と、“禁断の移籍”を果たしたことにより起こりえる事態であることを理解していた。そして、「18歳の少年ではなく、ライバルとして見てくれた。そのことが嬉しい」とも語っている。

 スペイン紙「マルカ」は、この日の久保の評価について、GKマノロ・レイナ、FWブディミルと並ぶチームトップの2点(最高3点)を与えている。またチームMVPに選出し、「いいパフォーマンスだった。カンプ・ノウでブーイングを浴びせられた」と評価。また「チームで最も素晴らしい選手だった」とも伝えている。

 一方、スペイン紙「AS」の久保の評価は1点(最高3点)。トップは2得点を決めたブディミルで3点、続いてさらなる大量失点を防ぐ役割を果たしたレイナが2点。その他の選手たち(FWアブドン・プラッツのみ出場時間が短く評価なし)は皆、久保と同じ1点だった。

 地元マジョルカのウェブメディア「フットボール・マジョルカ」のアルベルト・セルコス記者は試合後、この日の久保のプレーについて、「とてもアクティブだったし、カンプ・ノウでブーイングを受けるなか、試合を通じて自分が本当に素晴らしい選手であることを証明しようとする意欲に溢れていた。18歳だけど強い個性を備えているし、ボールを持った時のプレーやボールを求める姿勢はポジティブだったよ。私は久保が今日、マジョルカで一番良かったと思う」と称賛した。

 一方、スペインのラジオ局「オンダ・セロ」でバルセロナ番を務めるアルフレド・マルティネス記者は試合後、「今日は彼にとって、感情的なもの、そして対戦相手のクオリティーによりとても難しい試合だった。カンプ・ノウはフットボールをプレーする若い選手にとって、ベストのピッチではないと思う。心理的なプレッシャーがあっただろうし、観衆が選手の上に重くのしかかっていたからね」と、久保にとって激しく、重圧のある非常に難しいゲームだったことを強調した。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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