久保建英、夢のカンプ・ノウで進化を証明 バルサ番記者も称賛「素晴らしい才能を目撃」

バルセロナ本拠地、カンプ・ノウの外観【写真:Football ZONE web】
バルセロナ本拠地、カンプ・ノウの外観【写真:Football ZONE web】

久保の守備は日々向上、守備ブロックの一員として機能

 そうしたなかでも久保は前半、左サイドのMFダニ・ロドリゲスと頻繁にポジションチェンジしながら攻撃のチャンスを窺った。前半6分に際どいクロスを上げると、2分後には激しい競り合いによって相手DFセルジ・ロベルトのイエローカードを引き出し、時折ドリブルも仕掛け、ビジャレアル戦から続くパフォーマンスの良さをアピールした。

 そしてマジョルカは同35分、MFサルバ・セビージャのスルーパスを受けたFWアンテ・ブディミルが決めて1点を返すも、メッシの鮮やかなミドルシュート、そしてFWルイス・スアレスのファンタスティックなヒールシュートにより、前半は1-4で終了した。

 後半に入りバルセロナがペースダウンしたことにより、マジョルカは前半よりも前に出る機会が増えた。そんな状況の中、久保は後半17分にこの日初めてのシュートを放つと、その2分後には久保のパスを受けたDFフラン・ガメスが右クロスを送り、ブディミルが打点の高いヘッドで合わせて2点差に迫る。さらに後半32分、久保のシュートが相手の手に当たったように見えたが、笛は吹かれなかった。また実りはしなかったが、隙を見て積極的にクロスを入れるシーンもあった。

 しかし迎えた後半38分、メッシにハットトリックを達成され万事休す。2-5と完敗を喫したマジョルカは3連敗、そして今季アウェーゲームは開幕から7連敗となった。

 敵地カンプ・ノウで大敗を喫し、これまでよりもチャンスを作れなかったものの、久保はリーガ初得点を記録した第13節ビジャレアル戦(3-1)を皮切りに、4試合連続でチームトップレベルのパフォーマンスを見せていると言っていいだろう。

 また前節ベティス戦でも感じられたが、久保の守備は日々向上しているように見える。この日は相手が相手だけに、守備に費やす時間が圧倒的に長く、多くのゴールを決められたものの、久保は我慢強く耐えて簡単に足を出すことなく、猛攻を受け続けたチームの守備ブロックの一員として、しっかりと機能した。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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