“手遅れ”になる日本代表 動かないベンチ、戦術に忠実な選手…悪癖はなぜ治らないのか

「これはまずい」と感じているのに、立ち止まれない

 修正を図れるリーダーの存在は重要であり、ベンチからの的確な指示はさらに重要だ。しかし、根本的に問題なのは日本人選手のメンタルではないかと思う。

 すでに上手くいっていないのに、当初のプランを運動量で強引に押し通そうとする。すると余計に傷口が広がる。「こんなはずじゃない」と思うのではなく、上手くいっていないことを認めないといけない。

 認めて、どうするか。まず認めること。薄々、あるいは明確に「これはまずい」と感じているのに、立ち止まれない。誰も何もしない。ベンチも動かない。最悪の状況に陥ってからようやく修正するのだが、だいたいもう手遅れである。

 ベネズエラ戦はまさにそうだった。コロンビアに完敗したU-22代表も同じだった。もうこれは国民性なのかもしれないが、克服しなければならない弱点だろう。

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(西部謙司 / Kenji Nishibe)



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西部謙司

にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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