「W杯予選モンゴル戦出場14人」を金田喜稔が採点 唯一の“5つ星”で絶賛したのは?

アジアカップ以来のスタメン出場で持ち味を見せた遠藤【写真:Yukihito Taguchi】
アジアカップ以来のスタメン出場で持ち味を見せた遠藤【写真:Yukihito Taguchi】

アジアカップ以来のスタメン出場も「遠藤らしさを見せた」

■南野拓実(ザルツブルク/→後半16分OUT)=★★★★

 61分間のプレーでチーム最多タイのシュート4本を放つなど、得点への高い意欲を示し、シャドーストライカーとしての質の高さを見せた。前半22分に決めた先制点は、序盤から一方的に攻めながらなかなかゴールを奪えない展開のなか、チーム全体に安心感を与えた大きな意味を持つ1点だった。また、長友の3点目につながった右サイドでの伊東との壁パスは秀逸。ボールを受けに行くタイミング、パスのコースやスピードも完璧だった。シャドーとして自らが動き出して仕掛けられるし、パスを受けて起点にもなれて献身的な守備もこなす。久保や中島もトップ下の有力候補だが、今の南野のプレーを見る限り外せないレベルだ。

■伊東純也(ヘンク)=★★★★★

 これまで途中出場してきた試合では、自分のスピードやクロスという武器を示そうとやや空回りしてしまい、周囲とのコンビネーションを発揮できずにいたが、3アシストをマークした今回の試合では、逆にチーム全体から見て「使いやすい伊東純也」になっていた。欧州での経験が自信になっているのだろう。周りを見る余裕が生まれ、周りの選手を上手く使いながら最終的に“自分が生きる”というコンビネーションを見せることができていた。もちろん、今回の相手が実力差のあるモンゴルだったことは差し引いて考える必要はあるが、右サイドで決定的な役割を演じた。これがドリブルで抜いたと思っても最後にグッと体を寄せてきたり、足が伸びてくるようなハイレベルな相手と対峙した時に、同じクオリティーを示せれば本物だろう。

■柴崎 岳(デポルティボ)=★★★★

 司令塔としてビルドアップの中心となり、ボールを奪われた後の切り替えの早さも見せていた。もっとも柴崎は、ここに通したら相手が狙ってくるという場所にパスは出さない。危険なポイントをよく分かっていて、ワンタッチでの短いパス交換からミドルレンジに切り替えてサイドを変えたり、速いパススピードで相手が狙っていないところに出してみたり。時に無理をしてでも、相手の狙いを“外す”ところに、サッカーセンスの高さを感じる。今や外せない選手だが、あとはいつも指摘しているミドルシュートの意識のみ。この相手に0本では、やはり物足りない。

■遠藤 航(シュツットガルト)=★★★★

 9月の2連戦では橋本がボランチとして好パフォーマンスを見せたなか、アジアカップ以来のスタメン出場で持ち味を見せた。攻守における切り替えの早さ、ピンチの芽を摘む状況判断力、球際でのフィジカルの強さ、攻撃の第一歩としてのプレーなど、どれを取っても遠藤らしさを見せたと言える。所属するシュツットガルトでは出場機会をつかめていないが、この試合に関してはその影響を感じさせなかった。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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