数値が示す退屈なマンUの姿 批判を受けるファン・ハールの引き際の美学とは?

ファン・ハールが辞任を決断する瞬間は…

 また、ファン・ハール政権発足1年目の2014-15シーズンは、シュート総数198本、枠内シュート総数64本、総得点数24となっており、昨季よりもシュートに対するアプローチが激減していることが立証されている。

 世間から戦術が退屈と評されることに対し、ファン・ハール監督は「私が去った時、人々がいなくなって良かったと喜ぶなら、私はハッピーだよ」と口にしつつ、自身の去り際について次のように明言した。

「しかしながら、最も大事なことが必ずしもそういうことであるとは限らない。個人的な意見として、スタッフとの相性、これが最も大事な要素だ。良い相性だと感じている時、私はベストを発揮できるが、相性が悪化した時は、私が職を辞する時だ。これまで率いてきたクラブでもそうだった」

 就任時から2年連続で巨額投資による大型補強という恩恵を受けるファン・ハール監督は、必然的に結果以上のものが求められる。そして、指揮官という立場から身を引く決断をする時は、オールド・トラッフォードのロッカールームで選手、スタッフが自身の言葉に耳を傾けなくなった、その瞬間なのかもしれない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

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