中島のテクニカルなプレーが相手を煽る形となり、サナブリアらが激昂する事態に

　日本代表は5日のキリンチャレンジカップでパラグアイ代表に2-0と勝利した。スタメン出場した10番MF中島翔哉（ポルト）が前半終了間際に華麗なリフティングドリブルを披露したなか、これに怒りを露わにしたパラグアイ選手が足裏タックルをお見舞い。直後に感情を露わにした相手3人が中島を囲むなど賛否両論を呼んでいるが、「恐ろしいキック」「空中に吹っ飛ばされた」とこのワンシーンの反響は今なお拡大している。

　試合は序盤から日本ペースで進んだ。前半23分、DF長友佑都（ガラタサライ）のクロスが相手に当たってコースが変わり、エースFW大迫勇也（ブレーメン）が左足ダイレクトで流し込んで先制。さらに同30分、中島、DF酒井宏樹（マルセイユ）と崩して、最後はMF南野拓実（ザルツブルク）が追加点を奪った。

　注目を集めているのは、前半終了間際に中島が見せたプレーだ。自陣でこぼれ球を拾った中島が浮いたボールに反応。右足でトラップした直後、軽くボールを蹴り上げると、そのまま2回、3回と右足でリフティングしながら持ち上がった。

　だが、余裕を見せつけるようなプレーが相手を刺激。パラグアイ側を煽る形となり、相手FWアントニオ・サナブリアが斜め後方から強烈タックルをお見舞いし、中島は両足ごと刈られてピッチに倒れ込んだ。サナブリアにはイエローカードが提示された一方、中島は感情を剥き出しにする相手3人に囲まれる一幕が起きている。

　オランダメディア「VTBL」は、中島の被害について「自己責任」「典型的な南米の一撃だ」などと報じていたが、その反響は拡大している。米スポーツ専門局「ESPN」の番組「スポーツセンター」公式ツイッターは、「サナブリアのこの恐ろしいキックで空中に吹っ飛ばされた」と描写。「ESPN」アルゼンチン版も「前半終了間際、サナブリアは中島に怒りのキックをお見舞い。才能ある日本人は後半戻ってこなかった」と伝えている。

　サッカーを心から楽しむ中島の自然と出たプレーだったが、世界中で注目の的となっている。