カズ、中田英寿、中村俊輔… 「セリエA歴代日本人選手の足跡」を伊紙が特集

(左から)本田、中村、中田、三浦、長友【写真:Getty Images】
(左から)本田、中村、中田、三浦、長友【写真:Getty Images】

1994年にカズが切り拓いた“道” 「スポーツの観点からはポジティブでなかった」

 イタリア・セリエAのボローニャに今夏、日本代表DF冨安健洋が加入した。2018年1月にインテルから、同代表DF長友佑都がトルコのガラタサライに移籍して以来、約1年半ぶりのイタリアでプレーする日本人選手となるが、27日付のイタリア紙「トゥット・スポルト」は、その日本人選手とセリエAの歴史を振り返っている。

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 日本人選手でセリエAの扉を開いたのは、“カズ”こと元日本代表FW三浦知良(現・横浜FC)だった。1994年にジェノアへ加入したカズについて、同紙では「それほど成功ではなく、それでも道を切り拓いた」と評した。

 一方で、その事実を「絶対的な新しさはゲームの技術だけではなく、商業的な側面から古い大陸のトップクラブに新しいマーケティングの機会を予期せずに与えた」とされる。カズとジェノアと日本企業の関係について「ヴェルディ川崎からジェノアに移籍してきた。それは日本の企業スポンサーの協力のおかげでもあった。ロッソブルー(ジェノア)の金庫に選手がプレーするたびに、お金を収め貢献した。好奇心は大きかったが、スポーツの観点からはポジティブではなかった」と、ある種のビジネスモデルになったことを振り返っている。

 そのカズがイタリアを去って3年後、ペルージャに加入したのが当時の日本代表MF中田英寿だった。「ペルージャの火山のような会長、ルチアーノ・ガウチ会長が6つのゼロの額(日本円で億単位)を投資して獲得した」と、当時の状況を振り返る。そして「スタッフも、サポーターたちも当初は疑いの目を持って迎えた」とされた。

 しかし、その活躍はデビュー戦となったユベントス戦での2ゴールを皮切りに、ローマ移籍後はリーグ優勝にも貢献するもの。中田について、同紙はこう評している。

「この若いミッドフィールダーは、聖なる殿堂に入った。シーズンの驚きの開花となり、とめどない”中田マニア”が日出ずる国、すべてにあふれた。大衆的な現象となり、初めて日本人たちはまさに正真正銘のフットボールファンとなった。中田のスポーツの側面の成功は、商業的にもついて回った。巨大な多国籍企業が競って投資した。アジアマーケットの最高の高騰だった。そのなかにはキヤノン、カルバン・クライン、ナイキの有名な檻の中でチャンピオンたちと一緒にプレーしたコマーシャルも含まれる」

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