リーガ会長の批判は的外れ? “悪役”シティを上回る移籍市場インフレの要因は?

プレミアリーグ連覇を果たしたマンチェスター・シティ【写真:Getty Images】
プレミアリーグ連覇を果たしたマンチェスター・シティ【写真:Getty Images】

ユナイテッドやチェルシーはシティ以上に1選手に対して相場を上回る金額を投下

 リーガ・エスパニョーラのハビエル・テバス会長は、プレミアリーグ王者マンチェスター・シティについて、フランス王者パリ・サンジェルマン(PSG)と並び、選手に多額を費やすことで移籍市場をインフレさせていると不満をもらしていた。しかし、最新のデータによると、本当の“悪役”はシティではないようだ。英地元紙「マンチェスター・イブニングニュース」が伝えている。

 同紙の調べでは、プレミアリーグの移籍市場で本当にインフレを引き起こしているのは、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーであり、上限を引き上げているという意味で言えば、シティはアーセナルやニューカッスルをも下回るという。

 例えば1500万ポンド(約20億円)の選手を6人買う方が、8000万ポンド(約110億円)の選手をひとり買うよりもトータルでの支出は大きくなる。テバス会長は“総額”でシティを悪役としているのだが、実際に移籍市場でインフレを引き起こしているのは、1人の選手に高額がつけることの方なのだ。

 事実、プレミアリーグの歴代最多移籍金ランキングのなかでシティが獲得した選手はトップ25のうちわずか2人。トップ10ではゼロという結果になっている。

 これまでの移籍報道を振り返ってみても、オランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイク(リバプール)、ブラジル代表MFフレッジ(マンチェスター・ユナイテッド)らの補強が噂される一方、価格がシティの知覚価値を超えれば獲得から手を引いてきた。アルジェリア代表MFリヤド・マフレズも当初は同じで、最近ではイングランド代表DFハリー・マグワイアについてもレスターの要求額は支払わない方向だ。

 ランキングのなかでシティが獲得したのは、アルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロとベルギー代表MFケビン・デ・ブライネの2選手だが、両者ともクラブにとって世界クラスの活躍で、価格にふさわしい結果を出している。

 テバス会長はシティを“悪役”と糾弾しているが、本当に移籍市場のインフレを引き起こしているのは、1選手に対してマーケット価格以上の金額を出すクラブ。移籍金ランキングトップ25のうち10選手を獲得したチェルシーや、元イングランド代表FWウェイン・ルーニーら7選手を獲得したユナイテッドが要因と言ってもいいだろう。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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