コスタリカ旋風はどこまで続くのか 4強進出をかけて強豪オランダに挑む

試合の主導権を“握りたくない”コスタリカ

 オランダは、中盤における守備の要、ナイジェル・デ・ヨングが怪我のため出場できない。また、攻撃の起点となるウェズレイ・スナイデルも微妙な状態だ。一方、コスタリカは右センターバックのオスカル・デュアルテが出場停止。ただ、肩の怪我が心配されていた守護神ケイラー・ナバスは問題なさそうだ。

 両チーム共、3人のセンターバックとウイングバック2人の計5人が横一列に並ぶことで、低い位置のスペースを全て埋める。その前に広がる中盤のスペースには、守備的MF2人が配置され、彼らの豊富な運動量でカバーする。前線の3人は、前から奪いにいくというより、パスコースを切ることを重視しながらカウンターに備える。堅守速攻タイプのサッカーを志向している。故に、この試合ではどちらが主導権を握りにいくかがわからない。

 ただ、コスタリカの方が、主導権を相手に託したいはずだ。コスタリカのワントップ、ジョエル・キャンベルは、スピードと高いテクニックを持っているものの、ドリブルで突破するというより、ディフェンスラインの裏に抜け出し、得点を狙う形が得意。右ウイングでゲームメイクするブライアン・ルイス、素晴らしいクロスを武器とする左のクリスティアン・ボラーニョスとの連携は、オランダのDFの裏でこそ結実するだろう。オランダが引いてしまった場合にどうなるか。未知数の部分が多い。

 一方で、どちらでも対応できるのがオランダだ。もちろん、カウンターを仕掛けたほうがアリエン・ロッベンの俊足や、ロビン・ファン・ペルシーの抜け出しは効果的かもしれないが、仮にコスタリカが先制して引いたとしても、何とかする手段は持っている。そういった意味では、やはりオランダに分がある。

 話題をさらってきた両チームだが、この試合で必ず片方が脱落する。既に、2014年ブラジルワールドカップを語る上で、欠かすことができないエピソード満載の両国だが、ここで勝つといよいよ優勝が見えて来る。どちらがサプライズを積み重ねるのか、注目の対決である。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

 ※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
詳しくは、「LEGENDS STADIUM 2014 – FIFAワールドカップ公式動画」まで

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