「東京五輪もこのチームで…」 1点に泣いた“日韓戦”、U-20日本代表主将が誇った結束力

U-20日本代表のMF齊藤未月【写真:Getty Images】
U-20日本代表のMF齊藤未月【写真:Getty Images】

U-20W杯16強で韓国に0-1惜敗も…主将の齊藤未月は晴れやかな表情

 U-20日本代表は4日、U-20ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦でU-20韓国代表と対戦。拮抗したゲームが展開されたなか、日本は終盤の失点に泣き、大会からの敗退を余儀なくされてしまった。4試合すべてで主将を務めた齊藤未月(湘南ベルマーレ)は「点を取ったチームが勝つのがサッカーというスポーツ。点を取れなかった僕らが負けて、点を取った韓国が勝った」と敗戦を悔やみつつ、「本当に良いチーム。欲を言えば、このチームでもっとやりたかった。東京五輪もこのチームで戦えたらという思いがある」とチームの力に胸を張った。

 最後まで1点が遠かった。前半は支配率72パーセントの数字が示すとおり、日本がボールを保持しながら攻め込む展開が続くもゴールを奪うことができず。後半は韓国に盛り返されながらも、後半5分に一度はMF郷家友太(ヴィッセル神戸)がゴールを揺らしたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で取り消された。終盤、チャンスを作りながらもゴールを奪えない時間が続くと、後半39分にミスをきっかけに失点。この1点を最後まで取り返せないまま、試合終了のホイッスルを聞いた。

 試合後、取材陣の前に現れた齊藤の表情は晴れやかだった。悔しい気持ちがあるのは間違いない。涙を流したい気持ちもあっただろう。それでも齊藤は前を向いた。

「今、ロッカーで僕が話したのは、泣きべそかいて、記者の人やみんなの前に出るのは俺らのチームらしくないと。なんなら笑顔で出てやろうじゃないかと。別に負けたからといってサッカー人生が終わるわけじゃないし、運がいいことにこれはU-20ワールドカップであって、五輪もA代表のワールドカップもある。Jリーグもあるし、世界にはいろんな世界大会が繰り広げられている。そういう意味では、こういう雰囲気でここに出てきたいと思っていました」

 その後も常に齊藤は、冷静に言葉を連ねていく。「前半、ああいう形でチャンスをちょっとしか作れなかったけど、イメージは悪くなかった」と前半の手応えを語りながら、「後半、相手が来ると分かっていたので、最初の15分から20分は耐えようと思っていた」と振り返る。そのうえで、ゴールを狙っていこうと考えていた。

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林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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