川島永嗣が見る「日本代表GK事情」 先輩の引退に覚えた喪失感とスタイルの変化

「日本代表がまた大きく成長していくために、自分自身の経験をプラスにできればいい」

 日本人GKの課題は、やはりフィジカルとパワーだろう。

「たとえば、こちら(欧州)の選手たちは、肉体的にもともとパワーがあります。日本人GKも、フィジカルはもっと強くなっていったほうがいいと思いますね」

 日本代表に呼ばれることは、日本国民全員の夢を背負うことだと川島は言う。

「自分は、どんなことがあっても自分の夢を追いかけ続けてやってきています。そして、その自分の夢が、大きな日本の夢につながっていけばいいと思っています。次のW杯の前には2020年に東京オリンピックもあるし、若い選手が多くなって代表も変わってきていると思いますけど、そういうなかで日本代表というチームがまた大きく成長していくために、自分自身の経験をプラスにできればいいと考えています」

 川口、楢﨑の背中を追いかけ、そして今は権田、シュミットら、次の世代にその背中を追いかけられる存在となった川島。経験や年齢は重ねても、サッカーに対するビジョンや挑戦し続けたいという欲望には、まったくブレがない。

 集中砲火を浴びることも多いGKには、想像を絶するメンタルの強さが求められる。ロシアW杯で痛烈な批判を浴び、ストラスブールでも出番に恵まれないなかで日々挑戦し続けている川島の精神力は強靱だ。しかし、そこから感じるのは、鉄壁のような頑丈さや厳しさよりも、むしろさまざまなものを取り込める包容力や発想の柔軟さ、人としての“深み”だ。

 それは、とりわけ経験の浅い若い世代の選手にとって、拠りどころとなるものだ。この6月、川島の存在は日本代表にとって確実にプラスとなるに違いない。

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(小川由紀子/Yukiko Ogawa)



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