浦和に訪れた“ターニングポイント” 3バック回帰がはらむ得点力不足解消への矛盾点

浦和レッズのオリヴェイラ監督【写真:Getty Images】
浦和レッズのオリヴェイラ監督【写真:Getty Images】

中盤の人数をとるか、守備の安定を取るのか、オリヴェイラ監督の決断は…

 実際、直近のリーグ戦で導入した4バックから戻すにあたり、入れ替わった選手はMF長澤和輝からDF岩波拓也へというものだった。武藤が話す中盤から前線にかけての中央での人数という点では、4バックにして中盤が4人いる方が論理的ではある。一方でシステムへの慣れも加味してみれば、直線的に迫ってくる相手の攻撃を受け止めることに一定の成果を見せている3バックと同様の硬さを4バックで見せられるのかという点での疑問はどうしても残る。

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 簡単には両立しない課題をどう解決していくのかという点で、オリヴェイラ監督は「ファブリシオは次の試合(4月24日のアウェー全北戦)に戻れる可能性がある」という言葉を残している。昨夏に加入してゴールを量産した後に負傷により長期離脱となったブラジル人FWは復帰が近づいているが、それは人数を掛けないなかでより強力な個の能力でゴールを奪うことを期待するものだ。

 今季の浦和は、リーグ戦とACLの同時制覇という非常に高い目標を掲げている。まだ4月とはいえ、ACLはグループステージの前半3試合がすでに終わり、リーグ戦は6試合を消化。あまり課題の解決に時間を掛けてしまえば、特にACLは残り試合数との兼ね合いで非常に難しい状況へ追い込まれてしまう可能性がある。果たして、オリヴェイラ監督はどこに優先順位をつけてバランスと解決策を見出すのか。浦和の今季を通して見ても、重要なターニングポイントが訪れている時期にあると言えそうだ。

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