「アート志向に変わってきた」 なでしこ永里優季、海外10年目で目覚めた“新境地”

永里優季は海外挑戦10年目の節目を迎えた【写真:Football ZONE web】
永里優季は海外挑戦10年目の節目を迎えた【写真:Football ZONE web】

昨冬は豪州ブリスベン・ロアーへ期限付き移籍 初めての国で得られた「個人の成長」

 2011年の女子ワールドカップ優勝メンバーであるFW永里優季は、海外挑戦10年目の節目を迎えた。昨冬はアメリカのシカゴ・レッドスターズから、オーストラリアのブリスベン・ロアーに期限付き移籍。3カ月のレンタルを終え、4月からは再びアメリカでリーグ戦に挑む。海外4カ国、計6クラブでの経験を経て、プレーへのアプローチも変わっているという。日本女子サッカー史上屈指のストライカーの“アーティスト宣言”の真意は――。

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 永里は昨年10月、シカゴ・レッドスターズからブリスベン・ロアーへの期限付き移籍が決定。11月18日のWリーグ第3節アデレード・ユナイテッド戦(0-1)でオーストラリアデビューを果たすと、1トップ、トップ下、サイドとさまざまなポジションで起用されるなか、11試合に出場して4ゴールの成績を残した。初めてプレーする地でも、「プレッシャーを感じずにできました」と振り返る。

「3カ月という短期決戦のなかで、“助っ人外国人選手”として行っている分、結果を出さないといけないと意識しながら挑みました。まったく違った国民性、パーソナリティー、環境……、初めてのリーグですごく新鮮だったし、オーストラリアの新たな一面を見られたかなと。選手としても、今までできなかったことが形として現れた部分もあったので、個人の成長を感じられたシーズンでしたね」

 具体的に、“形になった”のはどんなプレーか。永里は今年1月25日に行われた第13節キャンベラ・ユナイテッド戦(4-1)のゴールを例に挙げる。かつては最前線で泥臭く貪欲にゴールを狙うスタイルだったが、この試合ではドリブルで相手を翻弄しながら敵陣のペナルティーエリア内に侵入し、絶妙な軌道のミドルシュートを突き刺した。

「今まであんなゴールを決めたことはなかったです。技術の種類を増やして、それを組み合わせて習慣化されるまで落とし込む。今回オーストラリアで取ったすべてのゴールは、まさに積み重ねてきた成果がようやく試合で形となって表れたものでした。選手としての成長と同時に、自分の内面の成長が大きかったのかなと。そのバランスが上手く取れたからこそ、試合でも自然と出せるようになったんだと思います」

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