難敵シリアを警戒するハリル監督 「我々の真の姿を見せなければならない」

「我々はセットプレーを十分に活用できていない」

 ハリル監督がこの試合で一つのポイントとして挙げているのが、セットプレーだ。6日の練習では、セットプレーを独立させたトレーニングとして行った。それに対する質問が飛ぶと、「フリーキックは向上させなければいけないし、トレーニングしなければならない。ただ、これまでは時間がそれほどなかったのでトレーニングしてこなかった。現代フットボールは、セットプレーで35パーセントの得点が入るが、統計的に我々は十分に活用できていない。すでに何回か練習しているが、向上させるために練習をした」と、セットプレーからの得点力向上をテーマに掲げている。特に「グラウンドのコンディションが分からない。暑さの問題もある」という中東開催のゲームでは、試合の流れに関係なく得点につながるセットプレーの存在は大きい。
 勝ち点9のシリアを2ポイント差で追う日本にとって、この試合で敗れるようなことがあれば、自動的に突破となる1位を自力で奪う可能性が消滅する。その場合は、広大なアジア全土のグループ全体の動向に目を向けなければならない、厳しい状況が待っている。まだ始まったばかりのロシア・ワールドカップへの道だが、最初の大きなヤマ場だと言えるだろう。
「我々は真の姿を見せなければいけない。フィジカル的に、メンタル的にしっかり準備をして、この試合のために厳しさを出さなくてはいけない。我々は自分たちの勝利を探すためにやってきた」
 果たして、真のハリルジャパンが灼熱(しゃくねつ)のオマーンで披露されるのか。真価の問われる一戦になる。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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