「交代カードの切り方は遅かった」 金田喜稔が抱いた森保采配の疑問点「我慢強い男だが…」

後半途中から出場したFW武藤【写真:田口有史】
後半途中から出場したFW武藤【写真:田口有史】

2点を追う後半に「3-4-2-1に変更するのも一つの手だと感じた」

「森保監督は非常に我慢強い男」と評する金田氏は、カタール戦前半の指揮官の姿を「ピッチ上の選手自らが考え、いかに局面を変えようとしているのか。それを見極めるために我慢して待っている。ある意味では、少し余裕があるようにも見えた」と語る。だが、その一方で「この試合はタイトルが懸かった一戦。勝利の可能性を少しでも高めるための采配を見たかった」と、2点を取られたままズルズルと前半を終えた展開を悔やむ。

「カタールの2ゴールは両方とも素晴らしい得点だった。もちろん、日本側の守備にも課題はあったが、オーバーヘッドもミドルも相手のシュートを称えるべきレベルのもの。これは仕方がない。ならば追いつくために、序盤からハマっていなかった布陣をどう変えるか。あるいは前半のうちから交代カードを切り、選手のマインドをいかに前向きなものに切り替えていくのか。そうした指揮官のメッセージを込めた采配が、早い時間帯からあっても良かったと思う」

 0-2で迎えたハーフタイム、金田氏はカタールの5バックを攻略するために後半に向けた一つの修正案を、自身の中でイメージしていたという。「代表チームの限られた活動期間の中では、落とし込むのが難しいとは思うが……」と前置きをしたうえで、「森保監督はサンフレッチェ広島で、3-4-2-1のシステムを駆使してJ1を3度も制した男。2点ビハインドという苦しい状況下で、ギャンブルになってしまうかもしれないが、そうした大胆な采配を振るってもいいのではないか」と感じていたと明かす。

「前半で2点をリードした相手は、どう考えたって前には出てこない。日本には前線からのアグレッシブな守備が求められているのだから、例えば大迫と南野、それに武藤を早めに投入して前線を1トップ2シャドーとし、相手のセンターバック3枚に圧力をかけていくやり方も一つの手だったと思う。後半のカタールは前線に11番を一人残して、19番を中盤の左サイドに回した5-4-1にシステムを変えてきた。2点を追う日本が攻めてくることを十分に理解したうえで、結果的に勝っているサンチェス監督のほうが先手を打ち、守備の対策を取ってきた」

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