レスターの人種差別発言男、イングランド代表に招集継続で英国内に波紋

英地元紙報道 FWヴァーディ「人種差別の赤っ恥にも関わらず招集」

 今季4試合出場で2得点と好調を維持するレスターのFWジェイミー・ヴァーディは、2016年欧州選手権予選に向けたイングランド代表に選出されることが決定的になったが、7月にレスター市内で東アジア人男性客に「ジャップ(日本人の蔑称)」を連呼する人種差別発言騒動が勃発しただけに、英国内で大きな波紋を呼んでいる。
 英地元紙「デイリー・メール」は、ヴァーディの招集が確実になったことについて「人種差別という赤っ恥にも関わらず、引き続き代表招集へ」という見出しで批判的に紹介。記事では7月にレスター市内のカジノでヴァーディが人種差別発言を連発した東アジア系の男性が日本人であったとレポート。そして、ヴァーディはこの日本人男性に直接面会し、侮辱したことに対する後悔の念を表明したとも報じられている。
 記事では「議論にも関わらず、ホジソンは28歳のストライカーを欧州選手権予選2試合に臨むチームに留めた」と報じている。
 ヴァーディ自身はこのスキャンダル勃発後、クラブの公式サイトで謝罪を表明。日本代表の同僚FW岡崎慎司にも謝罪したという。クラブも多額の罰金を徴収し、チャリティーに寄付している。大きな波紋を呼んでいるヴァーディの招集については、リバプールFWダニエル・スターリッジとアーセナルFWダニー・ウェルベックの故障離脱が理由とされている。
 現在28歳のヴァーディは2015年6月に行なわれたアイルランド代表との親善試合で代表デビューを果たしたばかりという遅咲きのストライカー。その勢いそのままに今季はここまでリーグ戦4試合全てに先発し2得点。現在は主に岡崎と2トップを組んでいるが、社会問題に発展したヴァーディをあっさりと招集したイングランドサッカー協会とロイ・ホジソン監督の見識にはイングランド国内からも疑問の声が上がっている。

【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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