日本代表コメントで振り返るセネガル戦の舞台裏 「2-2」を導いた“勝負のあや”とは?

決勝トーナメント進出に大きく近づく日本代表【写真:Getty Images】
決勝トーナメント進出に大きく近づく日本代表【写真:Getty Images】

二度のリードを許すも追いつき勝ち点1、決勝トーナメント進出に大きく近づく

 ロシア・ワールドカップ(W杯)初戦でコロンビアを破った日本代表は、24日の第2戦で同じく初戦でポーランドに勝利したセネガルと激突。二度に渡ってリードを許しながらも追いつき、勝利にこだわった戦いぶりで2-2の引き分けに持ち込んだ。選手の多くは「勝ちたかった」と素直に悔しさを口にしたが、直後にコロンビアがポーランドに3-0で勝利したことで、決勝トーナメント進出に大きく前進したことも事実だ。

 西野朗監督はコロンビア戦と全く同じ4-2-3-1のフォーメーションで、同じ先発メンバーを送り出した。試合の流れはボール保持率こそ日本が上回るものの、セネガルがボールを持つたびに高い推進力を発揮して日本の守備を後手に回し、右サイドハーフのイスマイラ・サールが長友佑都を突破するなど、日本にとって厳しい時間が続くなかで最初の失点が生まれたのは前半11分だった。

 4-3-3のセネガルは、日本陣内でハイテンポのパスワークから右サイドバックのムサ・ワゲがクロスを上げる。ボールはファーで原口元気がヘディングでクリアするも、そこに回り込んでいたユースフ・サバリに折り返され、川島永嗣がパンチングし損なったボールをサディオ・マネが押し込んだ。

「試合前のロッカールームで、1点取られる状況もあるよと。上手くいかない状況は絶対に出てくると。でも、頭はポジティブにいこうよということをみんなで話し合った」

 こう語るのは長友だ。「もう全然。問題ないよ、まだ時間あるよという感じで、みんながたぶん、頭の中はナーバスにならずにポジティブに考えられたんじゃないかなと思う」と振り返る長友は、率先して高いポジションを取り、中盤のパスを起点に乾貴士と絡んで相手陣内深くまで切り込んだ。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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