ミランに悲報、大本命のアンチェロッティ氏から断り 候補者乱立の来季監督選び

OBのドナドーニ氏の名前も

 2年連続で欧州のカップ戦出場権を逃した、ACミランに悲報が届いた。今季限りでレアル・マドリード監督を退任した、カルロ・アンチェロッティ監督の招聘(しょうへい)に全力を注いできた。だが、ミランは、公式サイトでアンチェロッティ氏から就任を断られた事実を発表した。
「カルロ・アンチェロッティは来季、ミランのトップチームの監督にはならないとミランに伝えてきた」
 今季10位に終わった名門再建にシルビオ・ベルルスコーニ会長は、アンチェロッティ監督の招聘計画を公言していた。選手、指揮官としてUEFAチャンピオンズリーグを制 すなど、ミランで黄金時代を築いた指揮官の復帰に全力を注いできた。レアル退任時に1年間休暇を取ると宣言していた指揮官の翻意を促すため、自ら直接電話をかけ、腹心のアドリアーノ・ガリアーニCEOをマドリードまで派遣。直接交渉を進め、ガリアーニCEOは「10パーセントの招聘の可能性が50パーセントになった」と極めて前向きな状況を伝えていた。
 しかし、指揮官は持病の重度の座骨神経痛の手術を受けるためにカナダのバンクーバーに向かったが、そこからミランに断りの連絡を入れたもようだ。
 ベルルスコーニ会長は、アンチェロッティ監督招聘に失敗した場合、ミランのOBであるロベルト・ドナドーニ監督の招聘を検討していると、地元メディアは報じていた。ドナドーニは、元イタリ ア代表監督で今季経営破綻していたパルマをシーズン最後まで指揮した。その他にも、フィオレンティーナのビンチェンツォ・モンテッラ監督、セビージャのウナイ・エメリ監督、マルチェロ・リッピ氏を強化部長としたミラン下部組織のクリスティアン・ブロッキ監督体制、サンプドリアのシニシャ・ミハイロビッチ監督など候補者は乱立しているもようだ。
 ただし、今季トップチームの監督1年目だったフィリッポ・インザーギ監督も契約期間を残している。監督人事が遅れれば、それだけ来季のチーム再建計画にダメージを与えることになる。本命と期待していた最大の大物に逃げられたミランは、急激なかじ取りを迫られることになった。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文  text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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