ハリル前監督、電撃解任の“反論会見”全文【前編】 「誰か一人を批判したことはない」

「ビッグなブラボーとビッグなメルシーを申し上げたい」

 まず、私が最初の日に日本サッカー協会に伺った時に聞いたのは、私のオフィスはどこか、と。そしたら、あなたのオフィスはありません、と。すぐに私のためにオフィスをしつらえてくれ、アシスタントにもオフィスを設えてくれとお願いをした。どうやら、これは日本サッカーで初めてのことだったようだ。代表監督からオフィスを設えてくれという要望が、だ。そうして、毎日オフィスへと出勤した。メディカルスタッフも毎日JFA(日本サツカー協会)にやってきた。しかし、そうしたことに馴染みはなかったようだ。

 その後、仕事の割り振りをして組織建てをしてきた。監督として、コーチとして、メディカルスタッフとして何をするのかだ。毎日ミーティングをし、テクニカルスタッフと試合の視察にも行き、一人一人についての報告書も作った。メディカルはどの選手が負傷しているのか、細かいデータを上げた。毎日、そうした作業をしてきた。だから、オフィスに行く時もあれば、試合現場に行く時もある。それは、国内組の試合も海外組の試合も同じだ。そして毎週月曜日にはスタッフ全員とミーティングをした。テクニカルスタッフとともに、50人、60人の選手に対する報告書を作り、GKの5人、6人に対する報告書を作ってきた。

 例えば、メディカルレポートでは、故障した選手がいるならばすぐに連絡を取って状況を聞き、広報スタッフや管理スタッフとも連絡を取ってきた。代表チームのための合宿や遠征について、いつやるのか、どうした形でやっていくのかと、50人ほどのスタッフがいた。そのスタッフ一人一人がやる仕事が自分にあり、それをやっていた。そうした多くの方に私からも仕事に対して3年間の間ありがとうと言いたい。

 ありとあらゆる練習の場面や移動、遠征においても、ほぼ完璧な形で進めてくれた。練習を準備してどうプランするのか、公式戦や親善試合の準備や調整、私の人生においてここまで、こんなに規律正しくやってくれるところがあるのかと、今までの人生で見たことはなかった。練習の中身にしても、選手の集中力やその質の高さについても、本当に素晴らしく、ビッグなブラボーとビッグなメルシーを申し上げたい。

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