堀江貴文氏が語るJリーグの未来とは?(後編)|「都心に専用スタジアムを建設するために“あれ“を売ってしまえばいい」

 昨年、Jリーグアドバイザーに就任した堀江貴文氏は、本気でこう話す。

「プレミアリーグよりもJリーグの方にポテンシャルがあると感じている」と。

 堀江氏と、Jリーグ常務理事の中西大介氏による対談の前編では、アドバイザー就任の経緯や、堀江氏の考えるJリーグのポテンシャルについて話し合われた。

 また堀江氏は、Jリーグには見えない”結界”のようなものがあり、サッカーファンではない人がスタジアムへサッカー観戦に行くのは、ハードルが非常に高いと指摘した。

[前編はこちら]

 後編では、その”結界”を堀江氏が分析するところからスタート。さらには、中西氏をも驚かせた、堀江氏の大胆なアイデアにも話は及ぶ――。

 

堀江氏「スタジアムそのものが”結界”となっている」

堀江 僕の考える”結界”の一つは、スタジアムそのものですね。正直なことを言いますと、僕の周りにはプロ野球を見に行く人は結構いても、Jリーグを見に行くという人はほとんどいません。

 なぜかというと、一つはアクセスが悪いから。東京で考えた場合、東京ドームや神宮球場には気軽に行けても、サッカーのスタジアムは都心から遠くて、ファンでない人が行くにはおっくうに感じてしまいます。

――確かにいずれのスタジアムに行くにも、電車と徒歩でかなりの時間を要します。

堀江 周辺に何もないので、サッカーファンでない人が行くことがない、全くなじみのない場所になっているわけです。それが心理的なハードルの一つです。でもショッピングモールとか、普段からよく行く場所にスタジアムがあれば、その心理的なハードルが下がるでしょう。

 例えば六本木ヒルズにスタジアムがあれば、ファンでない人でも気軽に行けるようになると思いませんか?

――まさに、前編でも出ていたMLSの話のように、人の流れをつくることになりますね。

堀江 試合がない日も含めて、普段から人の流れができる場所になければならないと思います。

中西 カシマサッカースタジアムが、堀江さんの発想に近いことを始めていますね。試合のない日にコンコースでビアガーデンを開催し、音楽ライブなどのイベントも行っています。

 他にもウォーキング・ランニング用のコースとして開放したり、最新鋭のMRI設備を導入したクリニックや、エステにフィットネスもある。

堀江 地方で人の流れをつくることに成功したモデルでいえば、イオンモールがありますよね。そこにスタジアムがあればいいのにと思うわけです。分けてつくる必要性を感じません。

――確かに、ショッピング、映画、スポーツ施設、アミューズメント、ペットパークと、一人でも友達同士でも家族でも楽しむことができる複合型の商業施設で、まさに人の流れを作っている事例だといえますね。

堀江 そうなると、まさに”結界”が取れるわけですよ。スタジアムに一気に人が流れるようになります。

 

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